【ポケモンスカーレット/バイオレット:S12R2003&最終341位】彪双剣『A & C』~Dual-wielding style
おはようございます。こんにちは。こんばんは。ポケモンエンジョイ勢のpoke_jinと申します。
今回はポケモンスカーレット/バイオレット(以下SV):S12で最終レート2003&最終順位341位を達成した構築を皆様に紹介したいと思います。
以下常体。一部敬体。
目次
【パーティー構築経緯】
★前編
①S4でレート2000を達成して一定期間経過後、ハバタクカミやカイリュー等を運用しない構築作りに着手。新たに運用したいポケモンを探して構築記事を眺めているとS7最終1位の方のパーティーの中でテツノブジンが目に留まった。ブーストエナジー枠を探していたというのもあって道連れやアンコール等多彩な技を覚えるテツノブジンを独自の型で運用したいと試行錯誤を始めた。
②S8においてゴリランダー&グラスシードオオニューラの構築が結果を出した記事が目に留まり興味本位でテツノブジンと共に運用を始めた。当時は大きな結果こそ出なかったもののそのポテンシャルの高さに好感触を抱き何とか活かせないか試行錯誤を増やした。
③レギュレーションCで解禁された準伝説ポケモンの中から1体は構築に入れたいと思い色々調べた結果高いSと特性込みで高火力を叩き出せるパオジアンの採用を決定。しかし、筆者の運用が下手だった事が前提の上、テラスタルを電気やゴーストにしても納得いく成果が出ず試行錯誤を重ねた。
④上記の4体に対キョジオーンやドヒドイデ+ディンルーの並びを狩る為に身代わり&悪巧み採用の食べ残しウォッシュロトムを、構築単位で苦手なハッサムや特殊全般の受けとして火炎放射を採用した隠密マントヒスイヌメルゴンをそれぞれ採用しランクマに潜り続けるも、ハバタクカミを筆頭にオーガポンやパオジアン等様々なポケモンに上から叩かれたり、ディンルーや赫月ガチグマの高耐力・高火力に跳ね返されたりと結果が振るわなかった。その上カイリューを始めとする電磁波やアンコール等の妨害技使いが環境に塗れこちらの思うような展開をさせて貰えず低迷。それでも試行錯誤を止めず重ねに重ね続けた。
★方針転換
試行錯誤を重ねた末ハバタクカミやカイリュー、オーガポンや赫月ガチグマ等を構築へ入れずにレギュレーションE環境で勝つ為に本構築に必要だと思った要点は以下の3点。
・アンコール対策の為に極力能力上昇系の変化技を使わない、もしくは可能な限りアンコール対策を図った上での能力上昇系変化技or特性による能力上昇が可能な構築を作る。
・電磁波(及び塩漬けの定数ダメージ)対策の為に複数のポケモンに身代わりを採用、もしくは電磁波そのものを無効化ないし電磁波によるSダウンを挽回できる特性を有するポケモンを採用する。
・『相手の上から叩く』という基本中の基本に立ち返り、特性によるS上昇ないし先制高火力技を備えたポケモンを多く採用。一部のポケモンにはS上昇を引き継げる技を搭載し、後続の中速ポケモンにS上昇等の恩恵を付与する事でパーティー全体の速度を引き上げる。
これらの要点を構築作りにおける最重要ポイントとしてフィードバックし、構築の再編成を図った。
★後編
⑤まずテツノブジンの型を大幅に変更。従来は特殊型にしてアンコールや道連れ等の変化技を搭載していた所思い切って両刀(A>C)型に変更。特殊最大打点となるムーンフォースはそのままにブーストエナジーによるS上昇の利点を活かし電磁波や塩漬けの定数ダメージ等を避ける為に身代わりを採用。その上で叩き落とすを搭載する事で相手の持ち物を喪失させる動きを見せつつ物理ゴーストテラバーストを採用する事で叩き落とすや身代わりとのコンボで相手のハバタクカミやサーフゴーを返り討ちにする戦法を見出した。
⑥ゴリランダー&グラスシードオオニューラのコンボ戦術はこの2体の同時選出を強制されてしまうデメリットを鑑み、各々を独立させる選出の方が偽装構築故の型の誤認含めて互いに強みが出ると判断。オオニューラの特性軽業を自発的に発動させる為に猫騙し&ノーマルジュエル型に変更。フェイタルクローやインファイトの他にゴーストテラスタル用としてシャドークローも搭載した。また、当初はゴリランダーに突撃チョッキを採用していたが炎オーガポンに抗う為には高火力が必要不可欠と判断し達人の帯を持たせた岩テラスタル型に変更、同時にゴリランダーより遅いポケモンの変化技を封じる為にチョッキを持たせていた時には採用不可だった挑発を仕込んだ。
⑦パオジアンは気合の襷にすると火力が足らず、拘り系アイテムだと融通が利かず。色々改良を重ねた結果命の珠を採用。対ハッサムやアローラキュウコンを念頭に炎テラスタル型にし、ウーラオスやイイネイヌ・オオニューラへの有効打点として、何より相手の壁展開を破壊する為にサイコファングも搭載した。3割の怯みを押し付ける氷柱落としや先制高火力技である不意打ちも命の珠及び特性災いの剣の火力補助により相当な火力を叩き出せるようになり、特に初手に繰り出した折に相手へ予期せぬダメージを負わせられるようになった。
⑧『★方針転換』において纏めた要点を鑑み、ウォッシュロトムとヒスイヌメルゴンを構築から外し新たなポケモンを導入する事を決定。オオニューラの代わりに新たなグラスシード搭載役としてレギュレーションB時代に使いこなせず断念した特性加速を有するクエスパトラを再び採用する事にした。アシストパワーを採用する事で特殊積みエースにもなれるクエスパトラのバトンを受け取る枠として前回レート2000を達成した折に運用していた事から多少なりとも手に馴染む、相手からの変化技の殆どをシャットアウトし自身も悪巧みによって更に火力を強化できる食べ残し持ちサーフゴーを同時に採用。
上記の再編成によって、
★テツノブジン・パオジアン・オオニューラ3体による物理火力重視型対面構築
★ゴリランダー・クエスパトラ・サーフゴー3体による特殊火力重視型展開構築
この強大な2つの基本選出を構築する事に成功。これ等2つで対応し切れないイレギュラーに対しては構築全体で柔軟に対応する事に努めた。
【コンセプト】
★『セレクト【A(Attack)】』:物理火力重視型対面構築
特性や種族値故の高い素早さ&強大な物理高火力を備えつつ、3割ないし5割の追加効果を押し付けて運も手繰り寄せる対面構築3枚で相手を押し切る。
★『セレクト【C(Contact)】』:特殊火力重視型展開構築
グラスフィールド展開によって後続の補助をしつつ、加速瞑想バトンで上昇した素早さ&悪巧みも加えた超特殊高火力展開構築で全抜きを狙う。
★『セレクト【D(Dual)】』:局所対応重視型混成構築
上記の基本選出から外れたルート選出を強いられる場合『セレクト【A】』2体に『セレクト【C】』1体、もしくは『セレクト【A】』1体に『セレクト【C】』2体を加えた混成選出『セレクト【D】』を選出、繰り出す順番や全体の試合の流れを大まかに想定し柔軟な対応を図る。
【個体紹介】
★『セレクト【A(Attack)】』:物理火力重視型対面構築
・テツノブジン
クォークチャージ/無邪気/ブーストエナジー/ゴーストテラスタル
159(76)-158(60)-123(100)-156(124)-72-170(148↑)
ムーンフォース/叩き落とす/テラバースト/身代わり
〇努力値調整意図
H:16n-1
A-C:ゴーストテラバーストを物理技にする為の調整且つ可能な限りCを高めた配分。
A:ゴーストテラバーストでH159B89までのハバタクカミを確定1発。
C:ムーンフォースでH197D121カイリューをマルチスケイル込みで確定2発。
H-B:A200連撃ウーラオスの水テラスタル水流連打を90.75%で耐え。A186カイリューの鋼テラスタルアイアンヘッドを87.5%で耐え。
H-D:ゴーストテラスタル時C179ハバタクカミのムーンフォースを確定耐え。C187ハバタクカミのムーンフォースは75%で耐え。
S:最速ガブリアス抜き。
※役割:初手(主にドヒドイデ・モロバレル・炎オーガポン以外の初手が出て来ると想定できる時)>2番手or3番手(こちらの初手がパオジアン時の後発であるケースが大半を占める)
本構築の始点。テツノブジンを独自の型で活躍させたいという想いが今回のレート2000達成に繋がったと言っても過言では無い。
運用当初はムーンフォース/波動弾/道連れ/アンコールという妨害技を備えた特殊型だった。そこから対サーフゴー対策の為にシャドーボールを入れてみたり毒テラスタルを切ってくるウーラオス対策の為にエスパーテラスタル&サイコキネシスを搭載してみたり等々迷走を重ね、今月初旬には性格臆病でムーンフォース/叩き落とす/身代わり/道連れという型を運用、身代わり状態で道連れを選択する事で赫月ガチグマのハイパーボイスを食らいながら1:1交換を果たす等面白い動きも出来たが結局ハバタクカミ辺りに何も出来ず。炎オーガポンやサーフゴー相手に身代わりと道連れを絡めながら対処しようとするも動きを見破られ呆気なく倒される等散々な目に遭った。
そこで今月中旬に入る前に今までの運用で築いてきたテツノブジンへの先入観・固定観念を一度全て捨てる事を決意。テツノブジンの強み・弱み全てを真新しい気持ちで分析し、現環境において最も輝ける型は何なのか考察に考察を重ねた。レギュE環境で戦うにあたってハバタクカミやサーフゴーを避けては通れない。これ等に為す術も無く敗北する型に活躍など望むべくもない。必要なのは状況次第で返り討ちにでき、従来の役割対象の多くにも十分な働きをこなせ、且つ不足する部分は構築全体でカバーし、逆に他メンバーで不足する箇所を埋められる役割をテツノブジンがこなせる調整と戦術。具体的には以下の5点。
①ハバタクカミを落とす為にゴーストテラスタルor鋼テラスタルの物理テラバーストが欲しい。
②初手に対面した拘りスカーフ型連撃ウーラオスの水テラスタル水流連打をほぼほぼ耐えられる耐久が欲しい。
③カイリューをマルチスケイル込みの与ダメージ含む確定2発で倒せる特殊火力が欲しい。
④ブーストエナジーによるS上昇したテツノブジンを縛る神速を抑制できるテラスタイプであって欲しい。
⑤相手の電磁波や塩漬けの定数ダメージを避ける技が欲しい。
これ等の要点を様々な角度で思考した末に行き着いたのが『(状況次第で)ハバタクカミやサーフゴーを返り討ちに出来る物理耐久調整両刀型@身代わり』という調整であった。例を2つ出す。まずは対ハバタクカミ。
※例1…初手における対ハバタクカミ
自軍:初手テツノブジン
相手:初手ハバタクカミ
ケース1…両者共ブーストエナジーが発動しS順がテツノブジンの方が先であると判明した場合
⇒ハバタクカミの初手は電磁波であると断定。テツノブジンは身代わりを置き電磁波を回避。次ターンにゴーストテラスタルを切り、物理ゴーストテラバーストでハバタクカミを落としに掛かる。耐久調整によってはハバタクカミが耐えて来るケースもあるが8、9割程の与ダメージを与えられるので、3ターン目にトドメを刺す。こちらは身代わり1回分の被ダメージでハバタクカミを突破する事となる。
ケース2…両者共ブーストエナジーが発動しS順がハバタクカミの方が先であると判明した場合
⇒こちらは迷わず初手でゴーストテラスタルを切り物理ゴーストテラバーストでハバタクカミを落とす。こちらより速いハバタクカミはまず物理ゴーストテラバーストを耐えられない。相手の選択は大体が電磁波。故に7割勝負でハバタクカミに勝てる。仮にムーンフォースを撃ってきても、両刀故にD下降補正の性格ながらC179までのムーンフォースまでなら確定で耐えられる。麻痺によるSが1/2になってもブーストエナジーによるS上昇がある為遅いカイリューくらいまでなら抜けている。
ケース3…テツノブジンのブーストエナジーが発動しハバタクカミのブーストエナジーが発動しない場合
⇒考えられる可能性は気合の襷or木の実or拘り眼鏡型(拘りスカーフ型は勝てないのでそもそも考慮しない)。型判別の為に初手は身代わりを置く。ハバタクカミ側の行動が電磁波である場合気合の襷or耐久調整を施した木の実型だと判定し叩き落とすを選択。道具を判別した後にゴーストテラスタルを切る。一方ムーンフォースを撃ってくる場合は拘り眼鏡型であると断定。次ターンにゴーストテラスタルを切りハバタクカミを落とす。
次に対サーフゴー。
※例2…初手における対サーフゴー
自軍:初手テツノブジン
相手:初手サーフゴー
テツノブジン側は迷わず身代わりを押す。相手が電磁波を撃って来た場合はゴツゴツメット等を所持する耐久調整を施した硬いサーフゴーであると断定。次ターンに叩き落とすを撃って型判別、3ターン目にも身代わりを撃って電磁波か攻撃技かを見る。この時結構な頻度で電磁波を撃って来るので身代わりが置ければアドバンテージを取れる。HB重視のサーフゴーは叩き落とす+物理ゴーストテラバーストでも落とせない事が多いので身代わりを置くタイミングがとても重要。
逆に初手にゴールドラッシュを撃って来るサーフゴーは拘りスカーフor拘り眼鏡型であると断定。次ターンも様子見で身代わりを撃つ場合もあるが、どちらにせよこの対面でテツノブジンがサーフゴーに勝つ事は出来ないので大人しく叩き落とすでサーフゴーの道具を喪失させ、後続に控えるポケモンが有利に動けるように努める。
相性上不利な相手故に必ず勝てるという保証は無い。しかし、為す術も無く敗北するような型では無くなり、逆に状況次第で返り討ちに出来る型に仕上がった為に、以前変わらぬ役割対象への働きも相俟って選出率が飛躍的に高まった。フェアリー・格闘の複合タイプは特に悪タイプの攻撃技を1/4に抑えられる固有の性能が有り、一撃ウーラオスに対面から負ける事は一度も無かった。フェアリータイプでもある事からスケイルショットの起点にならない点も大きかった。
特にこの型にして恩恵が大きいと思ったのは毒テラスタル以外の対キョジオーン性能。以前の構築では対キョジオーンの為に選出を大きく歪まされる事が多かったが、この身代わりを採用した両刀型テツノブジンはタイプ相性上塩漬けやボディプレスを半減に抑えられるので確定的に身代わりを残す事が出来る。その上で叩き落とすで食べ残しを喪失させ、物理型と誤認させた後にムーンフォースで確実にキョジオーンを削っていく戦術が採れる。テツノブジンは基本選出の一角でもあるので対キョジオーンの為に選出を大きく歪まされる事は無くなった(一応毒テラスタルの可能性も考慮してサーフゴーを同時に選出する事も多いが)。
元来テツノブジンは有用な補助技を数多く覚える。その中でアンコールや道連れは凄く有名だ。だからこそ(特に初手の)身代わりの可能性に対戦相手は行き着かない。逆に身代わりを見せる事でアンコールや道連れを警戒する動きを行う対戦相手が実に多かった。その上、ムーンフォースを見せれば物理技の可能性を勝手に消すし、叩き落とすを見せればムーンフォースの存在を自然と消す。中には叩き落とすの被ダメージでマルチスケイル状態で無くとも次の攻撃を耐えられると解釈したカイリューがテラスタルを切らなかった為に、次ターンにこちらが放ったムーンフォースで倒れていくシーンが数回あった程だ。
現環境におけるテツノブジンの強みは『型の読み辛さ』、そして間違いなく種族値通りの『両刀』故。両刀型は調整が凄く難しく運用方法にも頭を悩ませる事が多いが、きちんとした調整・戦術を採用すればその実力を遺憾なく発揮してくれると今期テツノブジンと共に戦っていく中で実感した。筆者としてテツノブジンの可能性を少しでも示す事が出来たと自負している。
・パオジアン
災いの剣/意地/命の珠/炎テラスタル
159(28)-187(236↑)-101(4)-×-92(52)-179(188)
氷柱落とし/不意打ち/テラバースト/サイコファング
〇努力値調整意図
H:16n-1。
A:災いの剣補正と命の珠補正が乗った氷柱落としでH155B105炎オーガポンを75%の乱数1発。同氷柱落としでH197B147カイリューをマルチスケイル込みで確定1発。H219B141赫月ガチグマ(テラスタルで氷弱点を消している)へ99.6%の乱数2発。同条件のサイコファングでH175B120連撃ウーラオスを87.5%の乱数1発。同条件の炎テラバーストでH171B110アローラキュウコンを天候雪によるB上昇補正込みで確定1発。
H-B:A204カイリューの拘り鉢巻ノーマルテラスタル神速を87.5%で耐え。
H-D:C205赫月ガチグマの真空波を81.25%で耐え。
S:最速110族抜き。
※役割:2番手(テツノブジンで荒らしてからの高火力の押し付け)>初手(相手の構築にハッサムが居る場合は必ず。ガチグマが初手に出て来ると想定する場合も)>3番手(基本的に滅多に無い。流れ的にオオニューラが2番手として出た場合が殆ど)
災厄ポケモンの一角。その類稀な攻撃性能に惚れて運用を続けた。筆者としてはパオジアンというポケモンの実力が一番発揮出来るのは初手では無く2番手であると捉えている。気合の襷型では無いという要因が一番大きいと思っているが、パオジアンは相手に無理矢理テラスタルを切らせる、所謂『テラスタルの強要性能』がとても高いポケモンの1匹であり、この長所を可能な限り高めていく事がパオジアンの強さを伸ばす事に繋がると考えている。その性能を高めるには気合の襷では火力が足りないし、拘り鉢巻では柔軟性に欠ける。無論悪テラスタルの拘り鉢巻型であれば柔軟性なぞ吹き飛ばす超高火力を叩き出せるのだろうが筆者の手には馴染まないと踏んだ。
そこでHPが削られるものの技威力を1.3倍に増す命の珠を採用。特性災いの剣の実質1.33倍火力上昇と組み合わさる事でおよそ1.7倍もの火力補助をパオジアンに付与する事で、特化に近いA実数値も相俟って相手に想定以上のダメージを与える事が可能となる。
メインウェポンの氷柱落としは3割怯みの追加効果を備えながら特性&道具による火力補助で氷弱点を消したH振り赫月ガチグマをほぼ2発で倒せる火力を叩き出す。シーズン後半は怯みを嫌ってかガチグマ側がテラスを切りながら真空波でパオジアンを倒そうと画策する動きが見られ、こちらも耐久調整を施しているとはいえむざむざ4倍弱点の被ダメージを食らいたくないので止むを得ずテラスタルを切る事となったが、逆に真空波2発を食らう代わりにパオジアンが瀕死にならず、氷柱落とし2発で赫月ガチグマを倒せるのであればブラッドムーンで吹き飛ばされるよりも儲けものだとポジティブに解釈するようになった。
先制技は技威力の高さを優先し不意打ちを採用。サイコファングはアローラキュウコンを筆頭とする壁構築への回答であり、オオニューラ・ドヒドイデ・イイネイヌ・連撃ウーラオス・毒テラスタルを切ってくる相手への有効打点として重宝した。気合の襷型パオジアンのサイコファングは余り脅威に感じないが、命の珠による火力補助を得たサイコファングは耐久無振りの連撃ウーラオスを高確率で吹き飛ばす程には脅威だ。
テラスタルは効果抜群となる炎・虫・鋼・フェアリー技を半減にする炎。数か月前からずっとパオジアンは炎テラスタルで運用しているが、構築記事記述時点では環境的に1%台しか存在しないようなので、まずこちらのパオジアンのテラスタルが相手に読まれる事は無かった。
炎テラバーストは構築的に重いハッサムやアローラキュウコンを一撃で吹き飛ばす事を目的とする。これは構築段階で予め決め打ちしているテラスタルの切り方である。『初手にハッサムやアローラキュウコンと対面する場合パオジアンは炎テラスタルを切り、炎テラバーストで相手のハッサムやアローラキュウコンを一撃で粉砕する』。この取り決めを構築段階において想定しておく事で後の詰め方にまで思考を巡らせ、バトルに勝利する可能性を少しでも上げるよう努める。
特に本構築は壁展開が非常にキツい為、天候雪によるB上昇補正が存在するアローラキュウコンを上から一撃で倒す為には命の珠&特性災いの剣による火力補助を得たパオジアンの炎テラバースト以外の選択肢が存在しなかった。これも気合の襷型では炎テラバーストでアローラキュウコンを倒す事は出来なかった為に採用した道具に間違いは無かったと認識する。
・オオニューラ
175(156)-195(220↑)-81(4)-×-102(12)-155(116)
〇努力値調整意図
H:16n-1。
A:フェイタルクローでH155B105炎オーガポンを確定1発。ノーマルジュエル猫騙し
&インファイトでH215B141赫月ガチグマを落とせる数値。ゴーストテラスタルシャドークローでHB極振りハバタクカミ確定1発。
H-D:C176テツノツツミの水テラスタルハイドロポンプ確定耐え。
S:軽業発動後S+1テツノツツミ抜き。
※役割:3番手(テツノブジンとパオジアンで相手のテラスタルを吐き出させた後のフィニッシャー)>2番手(流れ的に2番手にパオジアンを繰り出せない場合)
当初は後述のゴリランダーと組ませたグラスシード型だったが、各々が独立的に動いた方が強いと判断しノーマルジュエルを持たせた。それでも構築内にゴリランダーが居る事で相手に型誤認を与えやすく、これもまた後述のクエスパトラの道具や型を想定させない効果もあったと思われる。
これも筆者独自の捉え方だが、ノーマルジュエルを所持する特性軽業オオニューラは初手や2番手では無く3番手に繰り出す選出方法が一番強いと思っている。何故なら、オオニューラを繰り出す前に相手側にテラスタルを切らせておきたいからだ。
例えば、現環境において使用率1位のカイリューのテラスタルは構築記事記述時点ではノーマル・鋼・飛行・フェアリーがおよそ9割占めており、その内3つにオオニューラが弱点を突ける(唯一例外の飛行テラスタルはパオジアンで咎められる)。本構築ではテツノブジンやパオジアンがテラスタル強要性能を持つ筆頭格だが、可能な限りオオニューラを繰り出す前に初手ないし2番手の圧力で相手にテラスタルを切らせた後にオオニューラを繰り出し、テラス択を介させず最後の詰めとしてオオニューラの高火力を叩き込みたいわけだ。
今期は前期からの流れなのか悪タイプの躍進(具体的にはトドロクツキ)が目立ち、必然的にオオニューラの刺さりが凄まじく良くなった。鋼テラスタルトドロクツキならオオニューラでも弱点が突ける為、飛行テラスタルの可能性を鑑みオオニューラを繰り出す前にパオジアンの氷柱落としで倒すか、トドロクツキ以外のポケモンにテラスタルを吐かせて最後のオオニューラVSトドロクツキ対面でインファイトの一貫を作る動きを心掛けていた。
テツノブジンが格闘技を切った技構成になっている為、代わりに高火力格闘技を有するオオニューラの構築内における立ち位置は想像以上に高まった。
テラスタルはゴースト。カイリューの神速を回避する為であり、ゴーストテラスタルシャドークローでHB特化のハバタクカミを一撃で粉砕する為でもある。当然サーフゴーへの打点でもある。特性軽業を発動すればブーストエナジーを発動したテツノツツミやS二段階上昇最速カイリューも抜ける為、オオニューラの存在感は増すばかり。
最後にフェイタルクローの存在を語らないわけにはいくまい。オオニューラを最後の詰めとして運用する方法が一番輝くと言及した最も大きな要因がこの『何かしらの状態異常を5割で相手に与える』という追加効果が、試合展開における凄まじい上振れ要素となっているからだ。毒を引けば耐久型で粘ってくる相手を倒す事も出来、麻痺を引けばSダウン且つ3割で行動不能、眠りを引けば最大3ターン行動不能、いずれもここ大一番の最終局面で引いたら敗北に直結する(相手視点では)下振れ要素、こちら視点では逆転を含む勝利に大きく近付く上振れ要素によって勝利した数は片手に収まらない。強大な悪タイプや鋼・フェアリーテラスが良く見られる環境下におけるオオニューラの存在は凄まじく頼もしく、このポケモンが十全に働ける場を与える事がS12で筆者が上へ行く為に必要な仕事であったと今は考えている。
★『セレクト【C(Contact)】』:特殊火力重視型展開構築
・ゴリランダー
185(76)-193(244↑)-111(4)-×-96(44)-123(140)
グラススライダー/10万馬力/テラバースト/挑発
〇努力値調整意図
A:岩テラバーストでH161B123炎オーガポン確定1発。H185B119オーガポンに180~211(97.3~114.1%。乱数75%)。H197B144カイリューをマルチスケイル込みで確定2発。グラスフィールド補正有グラススライダーでH131B135テツノツツミ確定1発。H175B121連撃ウーラオスに158~187(90.3~106.9%。乱数37.5%)。
H-D:C176テツノツツミのフリーズドライ確定耐え。
S:準速キノガッサ抜き。
※役割:初手(グラスフィールド展開&起点作りや害悪系の阻止係)>3番手(気合の襷イダイトウや連撃ウーラオスを仕留める係)
当初は前述のオオニューラと組ませた突撃チョッキ型だったが、各々が独立的に動いた方が強いと判断した。それでも構築内にオオニューラが居る事で相手に型誤認を与えやすく、後述のクエスパトラの道具や型を想定させない効果もあったと思われる。
特殊火力重視型展開構築におけるグラスフィールド展開係として重要な働きを負うだけでは無く、カバルドンやディンルー、遅いカイリューの変化技を封じるべく突撃チョッキ採用時代には搭載できなかった挑発を仕込んだ所ズバリ当たった。構築的に重めなラウドボーンの鬼火を始めSの遅いポケモンの変化技を封じ込み、後述のバトン展開に繋いでいく動きが強かった。
とはいえ解禁された炎オーガポンの存在に頭を悩まされ、耐久調整を施した炎オーガポンには岩テラバーストでも倒し切れない事が散見され「どうしよう?どうしよう?」と延々考え続けた結果、『展開役には起点にされないだけの火力は必須』という自論に帰り着き、命の珠はパオジアンに取られていた為、達人の帯を搭載したほぼA特化の達人の帯岩テラバーストで耐久調整を施した炎オーガポンも高確率で吹き飛ばせる型に変更した。
無論こちらの岩テラスタルを読んで草技を撃って来るプレイヤーも一定数存在したので物の見事に返り討ちを食らったが、「炎オーガポンが相手構築内にいてもゴリランダーを出せる」という心持ちが絶対的に必要だった。時折ねばねばネットを展開する為に初手に出て来る耐久調整型クワガノンを一撃で吹き飛ばす為の岩テラバーストでもあり、挑発を入れた後炎の渦やエアスラッシュを撃って来るカイリューへ岩テラバースト2発によってマルチスケイル込みで倒せる事もあり、この選択に後悔は一切無い。
突撃チョッキ時代にはある程度HやDに努力値を割いていたがA特化に近い調整変更を行った為耐久力こそ落ちたものの火力増強の恩恵は意外に高く、ハバタクカミをグラススライダー2発で大体落とせる事に気付いて以降はゴリランダーへの信頼度は高まった。
10万馬力はけたぐりや叩き落とすとの選択ではあったが、毒テラスタルをしてくるポケモンへの有効打点が無いと話にならないとランクマ環境で戦っていて痛感したので採用。本構築では気合の襷型イダイトウはゴリランダーのグラススライダーで最後仕留める以外の方法が無い為、相手の構築にイダイトウが見えた瞬間ゴリランダーの選出は確定していた。
・クエスパトラ
加速/臆病/グラスシード/格闘テラスタル
191(164)-×-106(204)-133(92)-86(44)-138(4↑)
アシストパワー/テラバースト/瞑想/バトンタッチ
〇努力値調整意図
C:C一段階上昇後格闘テラバーストでH131D140イーユイを確定1発。
H-B:グラスシードによるB一段階上昇後A189 炎オーガポンのA一段階上昇炎テラスタルツタ棍棒確定耐え、A204カイリューのノーマルテラスタル神速をグラスフィールドのHP回復込みで3発耐え、A189パオジアンの拘り鉢巻悪テラスタル噛み砕くをテラスタル格闘になる事で2発耐え。
S:S一段階上昇後最速テツノツツミ抜き。
※役割:2番手(グラスフィールド展開後の抜きエース&サーフゴーへのバトン役)
レギュレーションB時代自身の腕が未熟で使いこなせなかったリベンジという意味も込めてクエスパトラを採用した。テラスタルは連撃ウーラオスや一撃ウーラオス、炎オーガポンの存在等々考慮し、熟慮に熟慮を重ねた結果悪タイプの攻撃技を半減にする格闘テラスタルに決定した。
碧の仮面で物理技を食らうとBが一段階上昇するアッキの実が解禁された事でアッキの実&瞑想羽休めクエスパトラが強いという評判を耳にし、その方向性でバトンタッチも採用した型を作ろうと色々思考した。
だが、バトンタッチを採用するとなると羽休めを入れるスペースが無い。攻撃技はアシストパワー以外のもう1つ(=格闘テラバースト)入れたかった為、回復技を入れるスペースが存在しなかった。食べ残しを持てば回復ソースを得られるが、今回食べ残しは別のポケモンに持たせる予定だった為に却下せざるを得なかった。
また、アッキの実は一度物理技を食らわないと発動しない点が不安要素になっていた。例えばA189パオジアンの拘り鉢巻型悪テラスタル噛み砕くは格闘テラスタルを切ったとしてもアッキの実を食べる前の被ダメージ(56.6~67.1%)とB一段階上昇後の被ダメージ(37.7~44.6%)を考慮すると乱数2発で突破される可能性が有る為確実性に欠ける。こちらが瞑想を1回積んだ後に格闘テラバーストでパオジアンを倒す事は出来るが悪タイプ相手に格闘テラスタルを切る以上、強制交代技でも無い限りバトン先の能力上昇を含め可能であれば瞑想は2回積みたい。「あーでもない、こーでもない」と考え続ける最中に、偶々構築内に居るゴリランダーとオオニューラを目にして少しボーっとした後に「グラスシードが余っているだろ!!」という気付きを得て、クエスパトラにグラスシードを持たせる運びとなった。
グラスシード発動により即B一段階上昇、グラスフィールド展開中はHPが1/16ずつ回復する、アシストパワーの威力加算が通常時より20多い等々の利点が有り、疑似的ながらもアッキの実+食べ残しの利点を初ターンから行使できる型となった。瞑想を複数回積む事でハバタクカミすら一撃で吹き飛ばすアシストパワーの超高火力を活かす特殊積みエースにもなれるが、このクエスパトラの本領はやはり後続へ瞑想加速バトンを行う2番手としての中継役にある。
・サーフゴー
黄金の体/控えめ/食べ残し/飛行テラスタル
181(156)-×-134(148)-174(44↑)-112(4)-124(156)
シャドーボール/ゴールドラッシュ/悪巧み/身代わり
〇努力値調整意図
B-C-D:バトンを受ける前提で実数値を全て偶数。特にB方面へ厚く割いた。
H-Bグラスフィールド展開時A204カイリューの地震をグラスフィールド&食べ残しの回復量込みで3発耐え。
C:C二段階上昇シャドーボールでH227D141クレセリアを確定1発。
S:準速キノガッサ抜き抜き。3加速後S一段階上昇最速テツノツツミ抜き。
※役割:3番手(クエスパトラからのバトンを受け取った後のフィニッシャー兼ガチグマ&クレセリアのトリックルーム展開軸にも積極的に選出)
ゴリランダー⇒クエスパトラと来て、最後の全抜きエースの役割を担うのがこのサーフゴーである。元来レギュBでレート2000取った折に採用していたサーフゴーは元々バトン構築における抜きエースの型を参考にしていた事もあり、クエスパトラと並び当時使いこなせなかったバトン構築のリベンジとして採用するに至った。
バトン構築の天敵である強制交代変化技を筆頭に殆どの変化技を特性黄金の体によってシャットアウトする、まさにバトン構築の救世主的存在でもあるサーフゴーを今回よりバトン仕様に調整を施した。テラスタルは飛行。グラスフィールドと組み合わせているので、サーフゴーのテラスタルが飛行であると想定していない動きをよく見た。
BCDSが上昇したサーフゴーに更なる全抜き性能を持たせるべく悪巧みを搭載。展開次第では瞑想を1回しか積めずにバトンされる事もある為、この悪巧みの存在は全抜きする為に必要な積み技だった。攻撃技はテンプレであるゴールドラッシュとシャドーボール。共に優秀な性能を備える攻撃技でCを高める事でその威力は更に輝きを増す。
身代わりはキョジオーンの塩漬けの定数ダメージを回避する他に、バトンを受け取った後にパオジアンや一撃ウーラオスの(拘り鉢巻型)不意打ちを避ける為の意味合いもある。この手のバトン型サーフゴーの変化技の構成として悪巧みの他に自己再生を入れているケースが多くあるが、今回は食べ残しを所持道具として採用しており、バトン時にグラスフィールドが残っていればHPを1/8も回復できる点を考慮し自己再生の採用を見送った代わりに身代わりを搭載する事で炎の渦等からも逃れられるようになり刺さりに刺さりまくった。
この身代わりはバトン選出以外でサーフゴーを選出した折にも役立った。例えば、相手の選出が攻め駒2枠@ママンボウだった場合、受け駒兼サイクル要因でもあるママンボウの前で身代わりを貼れば攻撃方面に努力値を割いていないママンボウの攻撃では身代わりを壊す手段がミラーコートしか無く、サーフゴーは身代わりを貼っている間に悪巧みを積む事で相手の裏ごとママンボウを粉砕する戦術を採っていた。
また、赫月ガチグマ及びクレセリアというトリックルーム軸にはサーフゴー単体で選出した。他のポケモンでガチグマにテラスタルを吐かせつつある程度消耗させサーフゴーを繰り出す。相手は後続のクレセリア等に交代するもこちらはガチグマの居座りもケアしながら飛行テラスタルを切りつつ悪巧みを積む。その後はクレセリアにトリックルームを展開させない立ち回りを心掛け、身代わりや悪巧みを絡めながら相手の戦術を打ち砕いていく動きを心掛けた。加速バトンエースでありながらその真逆に位置するトリックルーム対策も同時に担うという希少な動きを遂行してくれたサーフゴーは本当に心強かった。
【選出】
物理火力重視の『セレクト【A】』、特殊火力重視の『セレクト【C】』という2つの基本選出を用意。まずは『セレクト【A】』で対応可能かどうかを思考し、次いで『セレクト【C】』で対応可能か熟慮、この2つで対応し切れないと判断した構築相手には『セレクト【A】』2体に『セレクト【C】』1体、もしくは『セレクト【A】』1体に『セレクト【C】』2体を加えた混成選出『セレクト【D】』を選出して対応を図った。
★基本選出『セレクト【A(Attack)】』:物理火力重視型対面構築
❉テツノブジン+パオジアン+オオニューラ
ブーストエナジーによるS上昇&身代わりによる様子見&叩き落とすによる妨害や両刀故の柔軟な攻勢を行えるテツノブジンを初手に置き、次鋒として命の珠&特性災いの剣による強大な火力補助を得たパオジアンによる、怯みや壁展開の破壊等の副産物を備えた攻勢で相手にテラスタルを強要させつつ中央突破を図り、終盤の締めとしてノーマルジュエル猫騙しによって自発的に特性軽業を発動後相手の上から5割の状態異常を備える毒技や高火力格闘技等を叩き込めるオオニューラを控えさせ、最終的に特性や種族値故の高い素早さ&強大な物理高火力を備えた対面構築で相手を押し切る。
相手の構築次第でテツノブジンの代わりにパオジアンやオオニューラを初手に繰り出すケースもある。その場合はプレッシャーを掛ける2番手に誰を持って来るか、誰を詰めとして残しておくか等を思考しながら対戦していた。
※対戦例1
自軍…テツノブジン・パオジアン・オオニューラ
ターン1:初手テツノブジンVSウーラオス対面。こちらのテツノブジンの型が物理型か特殊型が判明していない時点で相手視点では裏に控えるハバタクカミ(物理型の場合ダメージ大)やカイリュー(マルチスケイルを削りたくない)へ交代し辛い為、水テラスタルを切り水流連打による強行突破を選択。こちらはムーンフォースを選択しウーラオスのHPを6、7割削りつつ耐久調整によって水流連打を凌ぎ切る。また、ウーラオスの所持道具を拘りスカーフと断定。
ターン2:テツノブジンが特殊型であると『誤認』した相手はハバタクカミへの交代を選択。こちらは安定択のムーンフォースを選択しハバタクカミのHPを3、4割削る。この時ブーストエナジーを消費しなかったので拘り眼鏡や木の実系統の道具所持と断定。
ターン3:テツノブジンへゴーストテラスタルを切り、物理ゴーストテラバーストを選択しハバタクカミに仕事をさせずに速攻で倒し切る。
ターン4:相手はカイリューを繰り出し、こちらはムーンフォースでは無く叩き落とすを選択。相手のゴツゴツメットを叩き落とし型を判別、ゴツゴツメットの被ダメージでテツノブジンは落ちる。
ターン5以降:こちらはパオジアンを繰り出す。カイリューへは氷柱落とし、水テラスタルを切ったウーラオスは不意打ちで縛っているので数ターン経過後こちらの勝利となった。
※対戦例2
自軍…テツノブジン・パオジアン・オオニューラ
相手…パオジアン・サーフゴー・カイリュー
ターン1:初手テツノブジンVSパオジアン。相性的に不利と判断した相手はテツノブジンに役割を遂行できるサーフゴーへ交代。こちらはパオジアンを気合の襷型と推定し、素直にムーンフォースを選択。
ターン2:サーフゴーへのムーンフォースの与ダメージが2割弱程しか入らなかった事から相手のサーフゴーは耐久調整を施した拘り眼鏡型かゴツゴツメットを所持する電磁波&祟り目型であると断定。更なる型判別の為に身代わりを選択。サーフゴーが電磁波を撃って来た為後者の型であると推定。電磁波は身代わりによって回避。
ターン3:叩き落とすを選択し相手のゴツゴツメットを叩き落としサーフゴーの残存HPは5割弱となる。サーフゴーは祟り目を選択しこちらの身代わりを破壊する。
ターン4:道具を喪失した状態での叩き落とすではここからサーフゴーを倒す事はできず、サーフゴー側のテラスタルや再度電磁波の選択等々の可能性も鑑みもう一度身代わりを選択。相手はゴールドラッシュを撃ち身代わりは消えるもののこの時点で相手にテラスタルを切る選択肢は無いものと断定。
ターン5:テツノブジンにゴーストテラスタルを切り、物理ゴーストテラバーストにてサーフゴーを倒す。
ターン6:パオジアンに不意打ちが無かったのか3体目のカイリューが繰り出された。こちらは型判別の為に叩き落とすを選択、カイリューは飛行テラスタルを切り、飛行テラバーストでテツノブジンを落とす。叩き落とした道具は拘り鉢巻。テツノブジンがゴーストテラスタイプになった事で拘り鉢巻神速を撃つ事が出来ずテラバーストを選択したと推察。
ターン7:こちらはパオジアンを繰り出す。相手視点ではパオジアンが気合の襷を所持している可能性を鑑み、また氷柱落としをパオジアンに交代して受ける場合相手側もまた気合の襷を無駄にしてしまう事となる為、拘り鉢巻を喪失して技選択が自由となったカイリューは神速を選択しパオジアンのHPを4割前後削る。こちらは氷柱落としを選択しカイリューを落とす。この時命の珠の反動ダメージ発生によって相手視点でこちらのパオジアンの所持道具が気合の襷では無かった事が判明する。
ターン8:相手はパオジアンを繰り出す。こちら視点では相手のパオジアンを気合の襷型と推定している為不意打ちを選択、相手のパオジアンの気合の襷を無効化しつつ返しの聖なる剣によってこちらのパオジアンは倒される。
ターン:9:こちらは3体目のオオニューラを繰り出す。相手視点ではテツノブジンとパオジアン選出が見え、グラスシードコンボの為に必要なゴリランダーが居ないと推定した時点でオオニューラの選出は予想外だった可能性がある。特性軽業を発動する為、ノーマルジュエルを消費しつつ猫騙しで相手のパオジアンを怯ませる。
ターン10:特性軽業を発動しSが倍化したオオニューラのインファイトでパオジアンを倒して勝利。
★基本選出『セレクト【C(Contact)】』:特殊火力重視型展開構築
✥ゴリランダー+クエスパトラ+サーフゴー
初手ゴリランダーでグラスフィールドを展開、特性加速によるS上昇&グラスフィールドによるHP回復&グラスシード発動や瞑想を積む事によるクエスパトラのアシストパワーの高火力を押し付けながらアンコール等の阻害技や神速を筆頭とする強力な先制技を避ける為にサーフゴーへバトン、最終的に加速瞑想バトンで上昇した素早さ&悪巧みも加えた超特殊高火力で全抜きを狙う。
相手のウーラオスが連撃の場合はゴリランダーが抑制、一撃ウーラオスの場合はテラスタル格闘クエスパトラで対応可能。グラススライダーを有するゴリランダーを初手で切らずに最後の詰めとして残す動かし方もある。万が一バトンが出来ない場合でも身代わりと悪巧みを持つサーフゴー単体で相手を詰めたケースが数回あった。
※対戦例3
自軍…ゴリランダー・クエスパトラ・サーフゴー
相手…連撃ウーラオス・パオジアン・サーフゴー
ターン1:初手ゴリランダーVSウーラオス対面。こちらはグラススライダーを選択しウーラオスのHPを9割削る。ウーラオスはアイススピナーを選択しゴリランダーのHPを6~7割弱削りつつグラスフィールドを破壊する。
ターン2:ゴリランダーからサーフゴーへ交代。ウーラオスはインファイトを選択するもサーフゴーで無効化する。この時点でウーラオスの所持道具を気合の襷と断定。
ターン3:ウーラオスは水流連打では無くアイススピナーを選択。こちらのゴリランダー引きを見越した上での選択。サーフゴーでアイススピナーを受け返しのシャドーボールでウーラオスを倒す。この時サーフゴーの食べ残しが発動した為、相手側はサーフゴーの型が予想出来る。
ターン4:相手はパオジアンを繰り出し噛み砕くを選択。こちらはゴリランダーへ交代し、再びグラスフィールドを展開しつつパオジアンの攻撃で落とされる。
ターン5:クエスパトラを繰り出しグラスシードでB一段階上昇。パオジアンの噛み砕くを受け切る為に格闘テラスタルを切って瞑想を選択。相手側は食べ残しサーフゴー選出も踏まえこちらのバトン戦略を完全に察知し、積まれる前にクエスパトラを粉砕するべくパオジアンに悪テラスタルを切って噛み砕くを選択。クエスパトラのHPを4割強削られた瞬間パオジアンの所持道具を拘り鉢巻と断定。
ターン6:クエスパトラは2回目の瞑想を選択。相手は格闘テラバ―スト警戒でパオジアンからサーフゴーへ交代。
ターン7:サーフゴーの拘り眼鏡ゴールドラッシュを警戒し3回目の瞑想を選択。サーフゴーはトリックによって拘り眼鏡をクエスパトラに押し付けこちらの行動を制限する戦術を行使。クエスパトラが格闘テラスタルを行使した以上、相手はアシストパワー以外のクエスパトラの攻撃技を格闘テラバーストのみであると踏み、アシストパワーはパオジアンで、格闘テラバーストはサーフゴーで無効化する駆け引きを仕掛けて来た。
ターン8:瞑想を3回積んだ事により相手のサーフゴーのシャドーボールで弱点を突かれても被ダメージを抑えられると判断し、こちらはバトンタッチで後続のサーフゴーへ加速瞑想バトンを行使。相手はこちらのバトンタッチの可能性も考慮した上でサーフゴーからパオジアンへ交代。
ターン9:パオジアンは拘り鉢巻悪テラスタル不意打ちを選択。相手視点では、グラスシード発動によってBが一段階上昇していてもこの不意打ちによってサーフゴーは倒せるという判断(実際A172拘り鉢巻悪テラスタル不意打ちが93.75%の乱数1発。A特化なら確定1発)。一度拘り鉢巻悪テラスタル噛み砕くを見せている以上、不意打ちの可能性が過ぎってもバトン型によく搭載されている自己再生等は選択しにくいという駆け引きの妙も垣間見える。しかし、こちらは『構築再編成時点でこういうケースも想定』した上で搭載した身代わりを選択し不意打ち(及び不意打ちor噛み砕くという駆け引きそのもの)を回避する。
ターン10:相手の降参によって勝利。
★混成選出『セレクト【D(Dual)】』:局所対応重視型混成構築
以下は上記の基本選出で対応し切れない構築に対する選出例の一部である。
❅パオジアン+@2(テツノブジン、オオニューラ、ゴリランダー、サーフゴーから2体選出)
対ハッサム構築。構築的に相手の初手がハッサムになる確率が高い為パオジアンは初手に出す。アローラキュウコンが居る場合もパオジアンが初手になる事が多い。
初手のハッサムやアローラキュウコンの裏に控えているポケモンは命の珠&特性災いの剣を有するパオジアンの想定以上の高火力を前にテラスタルを切らざるを得ないケースが多い。特にオーロラベールによる積み展開を想定していた構築の場合、後ろに控えている積みポケモン(カイリュー、トドロクツキ、赫月ガチグマetc)がパオジアンに弱点を突かれるタイプである事が一定数見受けられる。そこで鋼・ノーマル・フェアリーテラス等を切らせればこちらの後続として控えているオオニューラの刺さりが良くなるという対戦が多かった。これは命の珠&特性災いの剣を有するパオジアンのテラスタル強要性能が高いが故の戦術とも言えるだろう。
✿ゴリランダー+@2(テツノブジン、パオジアン、オオニューラから2体選出)
相手の初手が連撃ウーラオスもしくは起点作り・害悪係と想定される展開でテツノブジンを初手に置かないケース。ウーラオス側がアイススピナーを搭載している可能性も鑑み、グラススライダーを撃つ事でウーラオスのHPを最低でも9割前後削る立ち回りを採る。ハバタクカミが初手に出て来る場合も想定。大体グラススライダー2発で倒せる事が多かった。炎オーガポンの場合は(止むを得ず)テラスタルを切る事も想定。こちらの岩テラスを読んで草技を撃たれて返り討ちにされる事もしばしばあったが、ツタ棍棒を撃って来た時のアドバンテージが大きいので大概は迷わず岩テラスで返り討ちを仕掛けた。また、ねばねばネット展開を狙うクワガノン相手にも積極的に岩テラスを切って一撃で吹き飛ばしに掛かった。
❂@2(テツノブジン、パオジアン、オオニューラから2体選出)+ゴリランダー
対イダイトウ構築。相手の3番手に出て来る気合の襷イダイトウを想定しゴリランダーは原則最後まで残す。この手の構築は対面構築に分類される事が多く初手テラスでこちらの初手を吹き飛ばしに掛かるケースも多かった為、数的不利を取られないように初手及び2番手に選出したポケモンを駆使し、テラスも絡めて立ち回りながら何とか最後に出て来る襷イダイトウに僅かでもダメージを与えた後に3番手として繰り出すゴリランダーのグラススライダーを通す事を心掛けた。
❁@2(テツノブジン、パオジアン、オオニューラ、ゴリランダーから2体選出)+サーフゴー
対赫月ガチグマ+クレセリア構築。赫月ガチグマ視点で弱点を突いてくる4体を前面に出してテラスタルを強要させながら悪巧み及び身代わりを搭載する飛行テラスタルサーフゴーを通して相手のトリックルーム展開を阻害する。ガチグマをある程度削った後にサーフゴーを繰り出し、相手が後続(クレセリア)に交代時にこちらも飛行テラスを切りながら悪巧みを積み、クレセリアにトリックルームを展開させる暇を与えず控えに戻ったガチグマ諸共薙ぎ倒す戦術を心掛けた。この手の構築は如何に『クレセリアにテラスを切らせないか』に掛かっていると捉えている。
【苦手なポケモン・構築】
・初手テツノブジンorゴリランダー選出時の炎オーガポン
テツノブジン側から2発で倒せる有効打が存在しない為。身代わり連打でこちらの道連れを警戒してくれる事を願ったプレイングを心掛ける。深読みして裏のサーフゴーに交代してくれた時は叩き落とすを入れられて凄く助かっていた。ゴリランダーと初手対面した時は「『初手からテラスを切らないだろう』と読んでツタ棍棒を打ってくれ!」とお祈りして岩テラバーストを打っていたが草技を打たれた事も一定数あった。
逆に初手にオオニューラやパオジアンを選出した場合はそこまで困らず処理できていた。しかし、相手の構築にウーラオスやハバタクカミ辺りが炎オーガポンと共存していると中々この2体を初手に置きづらい事もあって全体的には苦戦していた。逆に2番手以降に出て来る炎オーガポンには、こちらの2番手以降にパオジアンやオオニューラが控えていたので然程苦戦しなかった。
・ドラパルト
鬼火や電磁波を撃って来る気合の襷型ドラパルトには何度も苦戦を強いられた。こちらの技を襷で耐えて状態異常にして来るのでしんどかった。
・ソウブレイズ
特性砕ける鎧&気合の襷型とは構築的に相性が悪かった。岩テラスタルゴリランダーの岩テラバーストとグラススライダーで何とか倒す、或いは一度交代させてS上昇を無効化する方法くらいしか対応できなかった。
・受けループ
特にヘイラッシャとハピナスが構築に居る受けループには勝てない。サーフゴーの悪巧みゴールドラッシュの急所をお祈りする他無し。
【レート・順位】
・最終レート
☆TNシ・ルナミス:2003
・最終順位
以下敬体。一部常体。
【終わりに】
ポケモンSV2回目のレート2000達成する事ができ大変嬉しく思います。テツノブジンを始め構築内のポケモン6体全てがランクマ環境で躍動する姿が何より喜ばしかったです。
現環境において最上位層のポケモンが構築の大半を占める、或いは全てをそれ等で賄っている構築が散見されます。かくいう筆者も前回レート2000を達成した折にはカイリュー・ハバタクカミ・サーフゴー・テツノツツミ等を構築に入れて戦っていました。
シーズンを経る毎につれ、最上位層に座するポケモンの顔ぶれに少々の変化はあれど相も変わらず強大な実力を発揮する一握りのポケモンは、運用する実力者の下様々に型を増やし、色々な戦術を携え増々その座を揺ぎ無いモノにしております。
しかしながら、果たしてそんな最上位層のポケモンばかりに『構築』の殆どを頼らなければレート2000を達成する事はできないのでしょうか?誰もが「カイリューを使わなければ!!」「ハバタクカミを!!」「オーガポンも!!」「赫月ガチグマも構築へ!!」等々ばかりに囚われる必然性は無いと思うのです。
自分自身が「キミにきめた!」と選択したポケモン達と共に頑張って結果を出す為に試行錯誤を繰り返す。そのポケモンが最上位層だろうがそれ以外だろうが繰り返す試行錯誤は同様に。それがポケモンバトルの醍醐味の1つであると筆者は捉えています。
筆者自身前回のレート2000から今回のレート2000を達成するまでおよそ7カ月もの時間を要しました。『目に見える成果こそ出ていなかったものの、ここ数カ月運用して手馴れていた多くのポケモン達の、今期における環境への刺さりが凄く良くなった』という、ある意味身も蓋も無い外的要因が幸運を呼んだという側面も否定できません。唯、これはポケモン対戦で結果を出す為には近道もあれば回り道もあるし、遠回りという順路も確かに存在する事の証左でもあると思うのです。
頑張れば必ず成果が出るわけではありません。勝つ事もあれば連敗を重ねてしまう事もあるでしょう。納得のいかない対戦を前に苛立つ事も、構築作りに困り果てどうしたら良いかわからず袋小路に迷い込んでしまう事もあるでしょう。それでも!「自分が試行錯誤を繰り返した末に編み出した戦術・型を携えたポケモン達と共に上へ!!」。この想いを忘れない限り目の前の対戦へ臆せずに臨めると信じています。
では、この辺りで筆を置かせて頂きます。ここまでお付き合い頂きありがとうございました。そして、SVS12で対戦して下さった皆様本当にありがとうございました。
【ポケモンスカーレット/バイオレット:S4最終399位レート2015】『災厄に抗いし鋼蟲の一味~Fakers』
おはようございます。こんにちは。こんばんは。ポケモンエンジョイ勢のpoke_jinと申します。
今回はポケモンスカーレット/バイオレット(以下SV):S4で最終順位399位、レート2015を達成した構築を皆様に紹介したいと思います。
以下常体。一部敬体。
目次
【パーティー構築経緯】
・レギュレーションAにおいてアンコール持ちのカイリューやデカヌチャンの強さに魅力を感じ、『アンコールと拘束技を用いて相手を嵌めたら楽しそう』という最大の理由からレギュレーションBにて解禁されるパラドックスポケモンの中で最速のアンコール使いであるテツノツツミを運用したいと考えた。当初はアンコールと拘束技である渦潮を組み合わせて火力と素早さを落とした耐久調整型で運用していたが対戦をこなしていく中で火力不足を感じる事が多くなって来たので思い切ってCSに努力値を振り切った型へ変更した。
・次いで『名前がメチャクチャ格好良い』という最大の理由からハバタクカミを採用。パーティーを運用していく中で初手のキラフロルや後から出て来るラウドボーンが重かったのでその辺に隙を見せない突撃チョッキを持たせたフルアタ構成になった。
・三番目に『自分のアカウントIDと同じ英名「Iron Hands」に縁を感じた』事を最大の理由としてテツノカイナの採用を決定。当初はエレキフィールドで欠伸対策、炎テラスタルで火傷対策を行う型だったのだが地面テラスタルセグレイブを筆頭に相手の地面ポケモンに狩られる事が多かったので格闘テラスタルへ変更。その上で火力増強&ゴツメ枠への対抗策としてパンチグローブを道具として持ち、更に身代わりを採用する事で相手の耐久ポケモンへ十分対抗できる異色の型へ変貌した。
・『レギュレーションAにおける使用率1位を運用しない手は無い』という最大の理由からカイリューを採用。当初は大文字を技構成に入れた両刀型を運用していたが環境の中心に存在するハバタクカミに為す術も無く惨敗するので「ハバタクカミ絶対倒すマン」になるべくアイアンヘッド&アクアジェットを技構成に入れた物理型へ変更。
・レギュレーションAにおいて一時期クエスパトラのバトン軸を練習していた折にバトン先としてサーフゴーを育成し運用していたが途中でバトン軸を断念。しかし、バトン軸でなくともその単体性能の高さに魅力を感じ、『レギュレーションAで結果を出せなかったリベンジを果たしたい』という最大の理由からレギュレーションBにおいて採用を決定するもA0個体がこの一体しかおらず、今作の努力値下げの難しさから努力値調整そのものはバトン型と一切変えずテラスタル&道具&技を変更し運用した。
・(運用していく中で見つけた課題点に合わせて修正を施したとはいえ)ここまでかなり私利私欲に塗れた理由でポケモンを選んだ事による弊害として明確に弱点となり得るポケモンが出て来た。具体的にはレギュレーションAにおいて痛い目を見たクエスパトラを筆頭に襷を持つマスカーニャやテラスタルでタイプ変更して攻撃してくるサザンドラ、バトン軸のエースとなり得るアラブルタケに高火力を持つトドロクツキなどなど。さてどうしようかと頭を悩ませていた所、とある実況者の配信にてクエスパトラをミサイル針で倒す虫テラスタル@いかさまダイス型テツノイバラを目撃した事で全てが好転した。
その瞬間「現環境において『高火力の虫タイプ連続攻撃技』の通りが良い」という着想を得た。加えて「連続攻撃技の中でミサイル針が効果今一つの炎タイプと飛行タイプにロックブラストで弱点を突ける」という点に着目。そこでレギュレーションBにおいてミサイル針とロックブラストを両立できるポケモンを探すと三体がヒット。まずはテツノイバラだが、虫テラスタルをしないとタイプ一致ミサイル針を撃てない事から断念。次いでヘラクロスだが、飛行やフェアリーで抜群を取られる事からこちらも行動保証を取る為にテラスタルを強要される可能性が高いと判断し断念。
そして残ったのが特性頑丈により行動保証が取れ、タイプ一致の鋼技でハバタクカミを倒す事ができ、同じくタイプ一致技のミサイル針を撃つ事ができ、岩テラスタルする事でタイプ相性を激変させつつタイプ一致ロックブラストを撃てるフォレトス。
フォレトスと言えばステルスロック・毒菱・電磁波などの変化技でのサポート型が主軸となっているポケモン。特にS4においては毒菱展開が流行する環境であった為に、毒菱を習得するポケモンはステロ共々その展開を警戒されると踏んだ。故に、対戦相手はその前提で動いてくる事を逆手に取った岩テラスタル@いかさまダイス型のフルアタ構成で運用と相成った。
【コンセプト】
・行動保証を持つポケモン達を中心に数的有利を取り盤面を有利に運ぶ。
・採用率の低い道具や技を採用し相手の予期しない奇襲強襲を序盤・中盤・終盤問わず仕掛けて意表を突き勝機を見出す。
・可能な限り『テラスタルを切らされる』行為を控える為に行動保証を持つ特性の他に半減実などの道具を駆使した上で、それすらも『テラスタルを切る』行為を含む奇襲強襲の手管として利用する。
【個体紹介】
191(196)-204(252)-120(36)-×-121(4)-103(20)
〇努力値調整意図
H:16n-1。
A:ぶっぱ。
S:準速50族抜き。
BD:余り。
レギュレーションAにおいて使用率一位を誇ったポケモンだが現在のレギュレーションBにおいては使用率二位で、タイプ相性上天敵となり得るハバタクカミが一位の座に君臨している。このハバタクカミに対抗する為にアイアンヘッドとアクアジェットを採用。
地震&アクアジェットを耐える調整をしている耐久型ハバタクカミ(例:H147-B107)に対してもアイアンヘッド&アクアジェットなら最低ダメージ145から入るので基本的には吹き飛ばせる。相手のハバタクカミの道具次第でカイリューがテラスタル必須かそうではないかが決まるので、カイリューを選出していた場合ハバタクカミが実際戦闘の場に出て来るまで他のポケモンにテラスタルを切るかどうかは熟慮が必要だった。
道具はステルスロックなどでHPを削られず砂嵐の天候ダメージ以外でマルチスケイルを必ず維持できる厚底ブーツを採用。相手のステルスロックを気にせずカイリューを盤面に出せるリターンは非常に大きい。テラスタルは神速の威力を底上げする為にノーマルテラスタル。
✶テツノツツミ
131-×-135(4)-176(252)-80-206(252)
〇努力値調整意図
C:ぶっぱ。
S:ぶっぱ。
B:余り。
当初は渦潮&アンコールで相手の起点作りや耐久ポケモンを捕まえて嵌める戦術を採っていたが途中から火力不足を感じるようになったので渦潮をハイドロポンプへ変更。それに伴い耐久調整を止めCSぶっぱのオーソドックスな型となった。
レート1900まではラムの実を採用し、相手の欠伸・電磁波や毒菱展開などを阻害しつつ攻める戦術で運用していたが1900以降はテツノツツミに行動保証が欲しい場面が散見された為、気合の襷を持たせる事で一気に勝ち数が伸びた。
アンコールは相手の行動を阻害する他に、不意打ち択に抗える貴重な手段の一つでもあった。こちらのアンコールのPP8全て使って相手の不意打ちのPP8を削り取った後に上から攻撃して倒すケースも存在する。
テラスタルは当初から一貫して地面テラスタルを採用。テツノツツミを受けに来るジバコイル・ハラバリー・テツノカイナなどに抜群のダメージを与えられる。特に現環境の突撃チョッキ枠として上記に三体は代表的ポケモンなのでこのテラスタル採用は正解だったと捉えている。
✶ハバタクカミ
古代活性/臆病/突撃チョッキ/水テラスタル
136(44)-×-92(132)-175(156)-157(12)-193(164)
ムーンフォース/シャドーボール/マジカルフレイム/テラバースト
〇努力値調整意図
H-B:テラスタル時A156命の珠ミミッキュのシャドークロー+影打ち確定耐え。
非テラスタル時A156命の珠ミミッキュの影打ちステロ込みで確定耐え。
C:シャドーボール:化けの皮ダメージ有りH131D125ミミッキュを確定一発。
S:最速マスカーニャ抜き。
D:余り。
『名前がメチャクチャ格好良い』という理由から採用したポケモン。当初はオボンの実を持たせる予定だったのだが、パーティー単位で相手のラウドボーンや初手のキラフロルに不利を取るという現実を前に急遽突撃チョッキを持たせる事になったという紆余曲折が存在している。
突撃チョッキ前提で努力値調整を考えたわけでは無いのだが、マジカルフレイムやムーンフォースの追加効果と合わせて相手の特殊技を大抵は二耐え三耐えする驚異の特防は勝負の決め手にはならずとも趨勢を左右する大きな流れを齎す堅牢さだった。
変化技を採用しなかった事が突撃チョッキ採用を促したとも捉えられるが、ムーンフォース・シャドーボール・マジカルフレイムはいずれも抜けなかった為、『どうせならタイプを変えるテラスタルを有効活用しようか』と思い直しテラバーストを採用するに至る。
水テラスタルにしたのはハッサムのバレットパンチやセグレイブの氷柱針・氷の礫対策、テツノドグガやカバルドン・バンバドロといった水タイプが弱点となるポケモンへの有効打点を確保したかった意図がある。
✶サーフゴー
黄金の体/控えめ/カシブの実/ノーマルテラスタル
191(228)-×(A0)-134(148)-173(36)-112(4)-116(92)
シャドーボール/ゴールドラッシュ/悪巧み/身代わり
クエスパトラのバトン軸構築記事に掲載されていたサーフゴーの調整を引っ張って来た筈なのだが、現在探してもその記事を見付けられず止む無く引用記事を掲載せず書き記す事をお許し頂きたい。
元々がバトン軸前提の努力値調整なので本来は本構築に沿った努力値調整を施すべきなのだが、今作の努力値下げがなつき度を上げながら努力値を下げる木の実しか無く、他のポケモンで試しに努力値下げを行った所なつき度最大で努力値を下げられなくなった事例が発生した為においそれとこのサーフゴー(なつき度が相当高い状態と想定している)も努力値を下げる事が躊躇われ、しかもA0個体がこの一体しかいなかった為に色々悩んだ結果『まあ何とかなる!気にしない気にしない!活躍させればいいんだ!』というポジティブ精神の元、参照元の調整のまま運用。努力値調整意図は割愛。
このサーフゴー最大の見所は『効果抜群となるゴースト技を半減するカシブの実』+『ゴースト技を無効化するノーマルテラスタル』の組み合わせだろう。
環境に多いゴーストタイプのポケモン、特にコノヨザル・ハバタクカミ・ドラパルト・サーフゴーはこちらのサーフゴーのノーマルテラスタルを必ず警戒する。しかし、効果抜群となるゴースト技を半減するカシブの実の効果発動後に果たして相手がこちらのサーフゴーのテラスタルをノーマルと予測できるだろうか?少なくともこのレギュレーションBにおいて予測して行動した対戦者は自分が知る由においては唯の一人も存在しなかった。
『意表を突く』というのが最大の理由だが、もう一つ大きな理由が存在する。それは『テラスタルの温存』である。カシブの実もノーマルテラスタルも、目的は相手のゴースト技を阻害する事で一致している。ならばカシブの実発動だけで事が済み、サーフゴーのノーマルテラスタルを発動せず別のポケモンにテラスタルを回す事が可能ならばそれに越した事は無い。仮にカシブの実とノーマルテラスタルを両方共発動せざるを得なくなったとしても後続に気合の襷や特性頑丈・マルチスケイルなどの行動保証を持つポケモンが控えている事もあり、選出全体での連携を念頭に置きつつバトルに挑んでいた。
また、参照元では自己再生が採用されていた筈だが筆者はそこを身代わりへ変更。これは主にキョジオーン対策。隠密マントを持たずにキョジオーンと戦う場合身代わりは必須と判断し採用した。
頑丈/意地/いかさまダイス/岩テラスタル
175(196)-156(252)-160-×-88(60)-60
〇努力値調整意図
H:16n-1。
A:ぶっぱ。
D:余り。
フォレトスをレート2000以上の世界へ連れて来る為に今期頑張ったと言っても過言では無い。調整はHAに大きく努力値を割いたフルアタ構成。採用技はいずれも使用率十傑に入っていない技ばかり。レギュレーションBでは毒菱展開が流行していた事もあり、毒菱を覚えるフォレトスとハバタクカミやカイリューがパーティーにいるとフォレトスのステルスロック&毒菱+ハバタクカミの祟り目戦術やカイリューの身代わり&羽休め戦術を警戒される。故に。フォレトスを初手に出された場合、相手側がこの技構成と道具を初見で想定できる可能性は限りなく低い。
・アイアンヘッド:ハバタクカミ、テツノブジン、セグレイブ、ミミッキュ、ニンフィア、キョジオーンなど。
・ミサイル針:マスカーニャ、サザンドラ、クエスパトラ、ブラッキー、トドロクツキ、アラブルタケ、バンギラス、ガブリアスなど。
まず着目すべきはミサイル針の存在。A156ミサイル針九発でH183-B116ガブリアスが中乱数で落ちる(筆者が対戦してきた中ではミサイル針九発で無振りガブリアスを倒せなかった事例は無かった)。ロックブラストもだがいかさまダイス補正が乗った威力100or125のタイプ一致連続攻撃技の脅威は、同じく連続攻撃技に分類される氷柱針を持つセグレイブのいかさまダイス型を見れば理解できるだろう。
その上で、特性頑丈のフォレトスとマスカーニャやクエスパトラが対面した場合相手側はどういう行動を取るだろうか?
クエスパトラならリフレクターなどを貼らずにルミナコリジョンで頑丈を削ったりフォレトスの電磁波を警戒して身代わりを置く事が多く、マスカーニャなら挑発や叩き落とすを撃って来る事が多かった。その『油断』にミサイル針@いかさまダイスが悉く刺さる。
耐久調整をしているクエスパトラには五発当てる事が必要だったり、叩き落とすでいかさまダイスを失い、且つ相手のマスカーニャが変幻自在で悪単タイプになった時には三発当てる事が必要だったりするなど連続技特有の欠点は依然存在するものの、「現環境において『高火力の虫タイプ連続攻撃技』の通りが良い」という着眼点通り上記のポケモンを、またそれ以外にもサザンドラやトドロクツキなどをミサイル針で打ち倒す事が数多くあった。
ロックブラストは岩テラスタルすると耐久無振りのマルチスケイルカイリューやハバタクカミを丁度五発で倒せる威力となる。単純に相手の炎技への耐性を得つつ、ロックブラスト@いかさまダイスで返り討ちにするケースもあった。
アイアンヘッド及び地震で特性頑丈を盾にしながら何度もハバタクカミやテツノドクガを打ち倒していた。ここで『HP1残しながら本来役割対象では無い特殊高火力ポケモンを倒しても、その後に出て来る物理高火力ポケモンに不利を取らないのか?』という疑問を抱く方がおられるかもしれない。現実その弊害が出て敗北した事例も複数存在する。しかし、現環境において相手の戦闘可能ポケモンを一体素早く処理する事は『テラス択を一枠減少させる』という意味でとても重要な行動となる。
如何に相性上有利であったとしてもテラスタルによって状況は幾らでも逆転する。このテラス択を抑制する第一歩が『相手の残数ポケモンを素早く減らす』事である。特に現環境を席巻するパラドックスポケモンは耐久に不安があったり、四倍弱点持ちだったり、特定の技(フォレトスの持つ技で言うならミサイル針を弱点とするトドロクツキやアラブルタケ)に弱かったりなど性能の高さと引き換えに尖った弱点を抱えている場合が複数見受けられる。そこに起点作りする気満々に見えるフォレトスが出て来たなら?さして警戒せずに突っ込んでくる事が殆どであり、その『油断』に付け込んで残数ポケモンを減らし、且つ相手のテラス択の一枠を消失させる。テラス択で右往左往してプレイングに支障が出るくらいならさっさと目の前のポケモンを倒す。その為に必要だったのが『油断を誘う』と『意表を突く』、そして『高火力の虫タイプ連続攻撃技』。それら全てを兼ね備え、筆者の構築に欲しかった要素に適合したポケモンこそがフォレトスであった。
余談だが、地割れやハサミギロチンなどある意味では災厄的な一撃必殺技が跋扈するレギュレーションBにおいてそれらが効かない特性頑丈ポケモンの有難みを時折感じていたのはここだけの話。
✶テツノカイナ
239(76)-206(220)-137(68)-x-106(140)-71(4)
雷パンチ/冷凍パンチ/ドレインパンチ/身代わり
努力値調整などはポケモン徹底攻略内テツノカイナ育成論「背理する雷電!パンチグローブテツノカイナ!」を採用(投稿された炊き込み淡水様ありがとうございます)。調整の意図などは下記の育成論にて詳細が掲載されているので是非ご一読を。
パンチグローブを採用する事でパンチ技の威力を1.1倍にし、且つ相手のゴツメや特性鮫肌による被ダメージを無効化する。これは特にゴツメカイリューに対する大きな優位点となる。また、パンチグローブの有無によってH131-B75ハバタクカミへの雷パンチの乱数が大きく変動する点も見過ごせない(パンチグローブ無し→31.25%の乱数一発。パンチグローブ有り→81.25%の乱数一発)。
育成論と異なるのはテラスタルを飛行から炎、そして最終的には格闘テラスタルへ変更した点と技を猫騙しからエレキフィールドへ、そして最終的には身代わりへ変更した点。炎テラスタルは火傷無効化&フェアリー技耐性を狙ったもの、エレキフィールドは催眠対策&クォークチャージ発動&雷パンチの威力強化を狙ったものだったが途中から地面テラスタルセグレイブに狩られ続け、相手の毒々や塩漬けに苦しめられるなどの弊害が露呈。そこで火傷対策&フェアリー技対策は諦め、対セグレイブ・ドオー・(水テラスタル)キョジオーンなどに焦点を絞った。まずパンチグローブと一致テラスタルの相乗効果でA206から威力165のドレインパンチを放てる格闘テラスタルに変更。そして、相手の状態異常技や塩漬けなどを防げる身代わりを採用。この身代わりはラス一になった時に欠伸吹き飛ばし戦術を得意とするカバルドンを、身代わりを置いたまま突破できる点も非常に優秀であった。
【選出】
正直基本選出のようなものは存在しなかった。相手の構築を見て刺さるポケモンを優先的に選出していった記憶があるが、その中でも多かった選出パターンを記す。
頑丈+気合の襷+マルチスケイルという三重の行動保証を盾にして対面的にバトルする選出。相手の構築にサザンドラやマスカーニャがいる場合は殆どフォレトスを初手に選出しミサイル針で撃破を狙う。ハバタクカミやテツノドクガと対面した場合も特性頑丈を盾に倒しに掛かる。厄介なポケモンを素早く撃破し数的有利を取りつつ相手のテラス択を制限しながら後続のテツノツツミやカイリューに繋いでいく。時々フォレトスを最後に回して特性頑丈を活かして最後詰めていくケースもあった。
★テツノツツミ+カイリュー+サーフゴー(orテツノカイナ)
相手の構築にイルカマンがいる場合殆どこの選出となる。初手にイルカマンとテツノツツミを対面させ、交代後後続として出て来る突撃チョッキ持ちのジバコイルやテツノカイナに地面テラバーストを叩き込んで相手の残数ポケモンを減らす。鉢巻型イルカマンのジェットパンチをカイリューで受け、交代後に出て来るのがハバタクカミと予想するなら交代際にアイアンヘッドを叩き込み一気に勝負を着けに行く。一方交代後に出て来るのがアーマーガアと予想するならイルカマンの交代に合わせてこちらもサーフゴーに交代し身代わりを置くなどしてイルカマンに圧力を掛けていく。最終的には襷持ちツツミで詰めていく。サーフゴーが余りにも相手の構築に刺さっていない場合はテツノカイナを選出する場合もある。
★テツノカイナ@2
相手の構築にドドゲザンがいた場合ほぼ確実にテツノカイナの選出となる。基本的にテツノカイナは二番手以降。初手はフォレトスが一番多く、三番手にカイリューやテツノツツミが控える。
初手サーフゴー選出が必要になる場合があり、対サーフゴー対策としてドドゲザンはほぼ確実に選出されるのでその試合はテツノカイナがドドゲザンを狩れるかどうかが重要となる。ハサミギロチンを連打するドドゲザンに対しては特性頑丈にて一撃必殺技を無効にするフォレトスを温存させておく事が重要になる場合もある。フェアリーテラスタル型にはアイアンヘッドで弱点を突け、悪テラスタル型にはミサイル針@いかさまダイスが刺さる。
耐久型カイリューを相手にする場合一番勝率が高いのがテツノカイナである(次いでアンコール持ちテツノツツミ)。ゴツメの影響を受けずに攻撃できるので相手のテラスタルやアンコール・羽休めのタイミングなども考慮した攻撃・プレイングが求められる。
★ハバタクカミ@2
相手の構築にキラフロルやラウドボーンがいる場合ほぼ確実にハバタクカミの選出となる。こちらの物理ポケモンの天敵となるラウドボーンを突撃チョッキハバタクカミで抑制し、ハバタクカミを嫌って相手が交代してくる先を読んで技選択を行うなど先々を読んだプレイングが求められる。この構築唯一の炎技持ちなので同じく選出されやすいハッサムを交代際の炎技で仕留めるプレイングも幾度か経験した。
★サーフゴー@2
相手の構築にコノヨザルもしくはキョジオーンがいた場合ほぼ確実にサーフゴーの選出となる。コノヨザルの場合は初手、キョジオーンがいた場合は後続から出す。
最初に出て来るステロ型コノヨザルの多くは憤怒の拳・地ならし・ステルスロック・命懸けorドレインパンチという技構成だがこの内命懸けorドレインパンチはサーフゴーには無効、初手にステルスロックや地ならしを撃ってきた場合はカシブの実を盾に撃破、初手から憤怒の拳を撃ってきた場合はカシブの実及びノーマルテラスタルで撃破を狙う。
キョジオーンは何とか相手の自己再生や守るに合わせてサーフゴーを出しつつ身代わりを置いて悪巧みを積む隙を伺う。キョジオーンがゴーストテラスタルの場合はサーフゴーで撃破しなければならないが、水テラスタルの場合は身代わり持ちのテツノカイナでも相手できるのでその辺りの見極めが非常に大事となる。
相手の初手にサーフゴーが選出される気配を感じた時はコノヨザルと同じ理由で初手に選出し、カシブの実及びノーマルテラスタルのコンボで撃破を狙う。
クエスパトラ軸に対抗する為の選出。相手がコノヨザル(起点作り型)+ドラパルト(壁貼り型)+クエスパトラ(エース)という選出ならカシブの実とノーマルテラスタルを軸としたサーフゴーを初手に置き悪巧みと身代わりを駆使しながら後続のクエスパトラを倒す。もしサーフゴーで倒せずともカイリューの神速で縛る戦術を採る。
逆にクエスパトラがバトン役ならフォレトスのミサイル針やカイリューの神速でバトンされる前に倒すよう心掛け、それでも駄目だった場合テツノツツミを選出していれば襷を盾に相手の積み技にアンコールを仕掛けて行った。
★サーフゴー+テツノカイナ+テツノツツミ(orフォレトス)
対受けループ、もしくはドオーやヤドキングなどの受けルチックな構築に対しての選出。対受けループの場合は悪巧みサーフゴーで相手のハピナスをテラスタルさせられるかが割と勝負の鍵となる(中々上手く行かないが)。相手のゴツメ持ちクレベースにパンチグローブ持ちテツノカイナで対抗できると思っても直後に格闘テラスタルでもされれば為す術が無い(逆に交代際のドレインパンチの被ダメージを甘く見てテラスタルを切って来ず、格闘テラスタル@パンチグローブドレインパンチが刺さって勝利した事もあった)。
ドオーやヤドキングなどの受けルチックな構築に対しては身代わりテツノカイナが刺さる。毒状態にならないフォレトスやアンコール持ちのテツノツツミで上手く盤面操作して行けば勝機は十分ある。
上記を見てもわかるように基本選出と呼べる形は無いにせよ、相手の構築によって様々な選出パターンを採れる構築になっている点が良くも悪くも本構築の特徴である。
【苦手なポケモン・構築】
・イダイナキバ
中々しんどい相手。テツノツツミを気合の襷型に、テツノカイナを格闘テラスタル型にして以降は幾分相手するのが楽になった。
・クエスパトラから瞑想加速バトンされたビルドアップつけ上がる型アーマーガア
正直バトンされた時点で負け確。絶対に勝てない。
・受けループ
【レート・順位】
・最終レート
☆TNアクロノヴァ:2015
・最終順位
☆TNアクロノヴァ:399位
以下敬体
【終わりに】
ポケモンSV初のレート2000達成する事ができ大変嬉しく思います。何よりフォレトスをレート2000以上の世界に連れて来られた事、本当に感無量です。
今回ここまでフォレトスで結果を出す事に拘ったのは何故か。その理由は来期にあります。皆さんもご存じでしょうが、来季からレギュレーションCが開始されるに当たって新たに準伝説ポケモンが解禁されます。巷では『四災』と称される事もある災厄ポケモン達。すなわち。
✿悪/草タイプのチオンジェン
❅悪/氷のパオジアン
❂悪/地面のディンルー
❁悪/炎のイーユイ
これら四体の準伝説ポケモンはまさに災厄と称されるに相応しい凶悪な性能を有します。その上で、間違いなくレギュレーションCの環境に甚大な影響を与えるであろう災厄達に抗えるポケモンの内の一体、それが『高火力の虫タイプ&岩タイプ連続攻撃技』を有するフォレトスなのです。今後増々フォレトスの活躍が見られる事を期待しております。
また、今回パラドックスポケモンを交換して下さったぴぴぴ様、誠に勝手ながら調整を採用させて頂きましたテツノカイナ育成論の投稿者である炊き込み淡水様(加えて同じく勝手ながら調整を採用させて頂きましたサーフゴーの構築記事の作者様)にこの場を借りて改めて厚く御礼申し上げます。
では、この辺りで筆を置かせて頂きます。ここまでお付き合い頂きありがとうございました。そして、SVS4で対戦して下さった皆様本当にありがとうございました。
【USM:S14最高2071/最終19××】狂気の3Z基本選出構想から始まったペンドラーバトン&対面融合構築~『何より意表が突ける』その果てに辿り着いたレート2071までの軌跡~
おはようございます。こんにちは。こんばんは。poke_jinと申します。
今回はUSM:S14で最高レート2071を達成した構築やそこまでに至る戦略等を皆様に紹介したいと思います。
以下常体。時々敬体。
【レート2071に至るまでの戦略】
今期は約3ヶ月という長期シーズンであった事から、以下の2点に注意しなければならないと考えていた。
1.期間が通常より約1ヶ月も長い事から最初からレートに潜り続けていると再戦が多くなる可能性が高い(=型バレの可能性が高くなる)。
2.実力があり時間的余裕もある方はレートに潜る時期を意図的に遅らせると予想。昨今のレート人口の減少具合も加味するとレート差マッチが頻発する可能性が高い(=レートが効率的に伸びにくい)。
筆者自身地雷枠を採用する傾向が強い為、特に1の可能性に出くわす事をできるだけ回避したかった。
元々前期の地雷原構築から離れ、全く別の新しい構築を運用しようと思っていた為、S14は2月中旬~後半頃から開始しようと決めた。
1月を丸々新構築立案に費やし順次育成も開始。2月上旬に育成が終わりフリー対戦で運用開始。2/15に開催されたモブキャラ氏主催仲間大会「指名手杯」にて並み居る強者達を相手に善戦・勝ち越しを果たし、本構築の手応えと課題を掴む。
特に運営側として参加されていたZouking氏に敗北した経験が大きく、その敗戦を切欠とし後程育成済だった6匹の内1匹を再孵化・育成し直す事となった。
2月下旬頃いよいよS14に参戦。レートで全く新しい構築を運用するという事もあり最初からレート2000超えを目指す目標は掲げず、「レート1600突破」を最初の目標とし、クリアする度に「レート1700突破」・「レート1800突破」…という風に目標基準を100ずつ引き上げていった。
構築を自分の手に馴染ませる為にレートが1650くらいになるまでは比較的対戦数を重ねながら細かな調整変更を実施し、そこからは「毎日20ずつレートを上げて(=二つ勝ち越す)終了する」事を日々の努力目標とした。
日によっては「二戦二勝してその日のレート終了」というのも珍しくなく、再戦や連敗をできるだけ避けながらコツコツレートを積み上げた。
「楽しみながらレート対戦をやる」事を念頭に、敗北にも必要以上に苛立つ事は無く楽しくレート対戦に臨んでいった。レートに潜る時期を意図的に遅らせた甲斐もあり、レート差マッチが多発する事は余り無かった。
今期は節目の数字(1700、1750、1800…2000、2050)チャレは必ず一発クリアしていた事も背景に気後れせず堂々とした試合運びができていた。
再戦も1、2回程しか発生せず、ほぼ予定通りのペースでレートが伸びていき、3/29に試合数300未満でレート2000突破を達成。今まで2000突破したシーズンは900試合ないし700試合以上掛けての達成であった為に、自身の成長振りを実感した。
そこからは正直ボーナスステージであり、おおよそ最終日である4/1は「勝っても負けても楽しみまくる」為にレート対戦に臨み、結果としてS14最高レート2071を達成。大満足のシーズンとなった。
レート2000を突破する為には構築やプレイング等が重要になってくるが、こういうシーズン全体を通しての戦略も重要になってくるとS14で実感した。
【パーティー構築経緯】
S13にて久し振りにレート2000を達成したが、地雷構築である為に構築記事公開によってネタバレしている以上その構築は今期通用しなくなると考え、新たなパーティー開発・育成に着手した。
S13でレート2005達成した構築がこれ。
「今期はどんなポケモンを軸に置こうかな?」と日々思案している中で着目したのが加速バトン戦術を行える数少ないポケモンの一匹ペンドラー。
ツイッターにて以前からキャスを覗かせて頂いている方々の中にうぃどう氏とおかとも氏という、共にレート2000超えの強者が居るのだが彼等は以前より加速バトンペンドラーを愛用されていた。
このお二方のキャスでバトン構築、ひいてはペンドラーの強み・弱み・運用方法等をずっと勉強させて頂いていた筆者だが、実はSM前期~中期の間に一度加速バトン用ペンドラーを育成していた。
その頃は正直作っただけの自己満足だけで終わってしまい、S14で使用すると決意するまでずっとSMロムのボックス内で置物と化していた。
数シーズン前に興味本位で一定期間メガバシャバトン軸に触れレートを1950まで上げられた事、色んな経験を積み前期レート2000を達成した今の自分なら加速バトンペンドラーを使いこなせるのではないか。
バトン軸で結果を出している人の構築記事を探していた所、メガバシャバトン+襷ペンドラーバトン両採用でレート2000を達成しているセサル氏の記事に辿り着いた。
S13にてセサル氏が結果を出している事からS14ではこの型が警戒される(=想定される)と考えた筆者は独自の調整・型を思案。その結果、地面Z所持鉄壁加速バトンペンドラーが爆誕した。
バトン先として最初用意したのがカプ・レヒレと霊獣ランドロス。ランドロスについては飛行Zを持たせる事は決めていたが、レヒレの持ち物はZ被りをこれ以上増やさない為に当初半分回復木の実であった。
しかし、フリー対戦等々で運用していく中でバトン後一回瞑想積んだムンフォでは霊獣ボルトロスやカプ・コケコをワンパンできず返り討ちを食らってしまう事が多発し悩みに悩んだ。
筆者「レヒレがZクリスタル持ちならコケコやボルトを倒せるのになぁ」
→「Zクリスタル持ちなら倒せるんだよなぁ」
→「ならレヒレにZクリスタルを持たせりゃいいじゃん。先に相手のポケモン全部倒した方が勝ちのゲームでしょ!」
という発想の転換の元、レヒレの持ち物を木の実からフェアリーZに変更。狂気の3Z基本選出構想が固まった(後にこの基本選出は選出率3番目くらいに落ち着くが)。
バトン戦術には欠点がいくつか存在する。状態異常技・襷持ち・強制交代技・呪い等々が挙げられるだろうか。状態異常技はレヒレのミストフィールドで防止できるが強制交代技や呪いは挑発が無い為に防げない。
バトン戦術は一度交代を余儀なくされると不利を取ってしまいがちである。そこで筆者はバトン戦術に頼らなくても勝てるポケモンを投入し、鉄壁加速バトン軸+役割破壊技搭載対面軸の融合を模索していった。
まず採用したのはポリゴン2。奇石による圧倒的な耐久力を誇り、特性トレースにより相手の有益な特性をコピーし、サイクルを回してくれる潤滑油的存在。
主に物理エース受けとして選出していた。ペンドラーから鉄壁加速バトンを引き継ぐと物理方面には絶対的な要塞と化す。
次に採用したのはメガバンギラス。圧倒的な種族値を背景に竜舞を積んだ後殴り勝つ。ペンドラーの鉄壁加速バトンを引き継ぐとメガミミロップ相手にも戦り合えるようになる。
最後に採用したのは両刀フルアタメガバシャーモ。セサル氏の構築記事及びバシャ&ペンドラー両採用構築の為にメガバシャのバトンは絶対に警戒される事は火を見るより明らかだった。
モブキャラ氏主催仲間大会「指名手杯」までは性格陽気&守る搭載の個体を使用していたのだが、そこで戦ったZouking氏に敗北した経験から性格寂しがりメガバシャを再育成、役割破壊技としてめざ氷&雷Pを搭載した超攻撃的スタイルに変貌した。
レヒレは元々耐久値が高くランドは特性威嚇によって相手の攻撃力を削ぐ等最低限サイクルを回す能力が備わっており、Zクリスタル搭載による対面処理能力を向上させている事も加味してバトン無しでも戦えるようになっている。
レート対戦を重ねていく中でランド選出は対面軸で増加する一方バトン軸において減少し、逆にメガバンギラスのバトン軸選出が激増。
レヒレはバトン軸・対面軸共に安定的に選出、メガバシャは刺さる相手に滅法強く、選出率最下位のポリゴン2はその結果が今後のレートにおける分岐点になるという重要な試合にて凄まじい戦果を挙げてくれた。
ペンドラー・ポリ2・ランドは今回初めて育成・運用していったポケモンなので色々手探りだったが、上手い事ハマってくれた。
【個体紹介】
☆ペンドラー/陽気/加速/地面Z
143(60)-147(212)-110(4)-×-95(44)-171(188)
バトン/鉄壁/守る/地震
本構築の主軸。このポケモンを使いたいと思って組んだ構築なのでレート2071まで連れてこられて本当に良かった。
Sは最速ウツロイド抜き。これは前期スカーフウツロイドにボコボコにされた経験を元に調整された数値である。
Hは16n-1調整。H-DはコケコのEF10万確定耐え。Aは地面Zで無振りリザXを最低乱数以外倒せるようになっている。
本構築はメガバシャーモ・メガルカリオ・滅びメガゲンガー等を呼びやすいので、そこに地面Zをぶち当てて勝利する試合展開が多かった。(ブレードフォルム)ギルガルドもこの地面Zで仕留める事が結構あった。
一度鉄壁を積めばHDメガマンダの恩返しを耐えられるくらいには固くなる。メガミミロップ・思念の無いメガグロス・ランド・マンムー等を鉄壁の起点にし、裏のレヒレにバトンする試合運びが非常に多かった。
色んなペンドラーバトンを勉強していく中で、最近は分身バトンによる運ゲー的バトン軸、剣舞バトンによる攻撃的バトン軸が主流になりつつあると感じた筆者は敢えてそれ等では無く鉄壁バトンによる耐久値と速度の底上げという守備的バトン軸に注目。
近年結果を出しているペンドラーバトン軸は起点作り+加速バトンペンドラー+抜きエースという選出が多いと個人的に見受けられた。
しかし、起点作りに一枠を消費するので結果として選出幅が狭まる傾向にあると思った筆者は起点作り+加速バトンの役割を鉄壁ペンドラー一体に集約させる事で選出幅を広げる事に成功した。
無論鉄壁で引き上げられる耐久は物理方面だけなので、特殊方面はバトン先のレヒレやメガバンギの性能で誤魔化している。
バトン構築の天敵であるミミッキュに対しても鉄壁を積んでいれば呪い不採用個体であればそう簡単には崩されないと想定し、実際にその通りになる試合展開は幾つもあった。
その上で持ち物に地面Zを採用している最大の理由は、バトン役に瞬間火力でいいから強力な攻撃性能を求めているからである。
バトン役はその攻撃性能を舐められがちである。相手からしたら「バトン役は耐久にガッツリ振った木の実型か行動保証の為の襷型」という認識を持つ事が多いだろう。鉄壁を見れば耐久型という認識は更に強くなる。
その認識の穴を突くのが地面Z。トリックや叩き対策でもあり、裏のバトン先がZ持ちでは無いと誤認させる効果もある。
逃げバトンと呼ばれる戦術(バトンとして引き継ぐのはSアップだけだがバトン役が苦手な相手をバトン先のポケモンで対処・バトン役の攻撃性能は標準を保つというもの)の思考と似通っているが、鉄壁の存在が差異点として挙げられるのではないだろうか。
地面技を透かせる相手を倒す事はできない為、上手く立ち回る必要がある。
151(44)-×-138(20)-154(196)-151(4)-136(244)
瞑想/ムンフォ/めざ炎/波乗り
ペンドラーのバトン先最有力候補。対面軸においても高い選出率を誇る。命中安定技ばかりで技外しのストレスが無いのもグッド。
H-Bは特化メガマンダの捨て身を最大乱数以外耐え。Sは最速メガバンギ抜き調整。余った努力値はほぼCに回した。
鉄壁バトンを引き継ぐと恐ろしく固くなる。鉄壁を最大まで積んだ状態でバトンを引き継ぐと特化霊獣ランドの地震最大ダメが28となったりする。
鉄壁加速バトンで得た猶予を使って瞑想を積み、相手を殴り倒す。フェアリーZは瞑想を積まずにメガマンダを一撃で落とす為。また、レヒレ・ミトム・マリルリ・アシレ対策。
バトン軸におけるレヒレは大抵水Z採用と想定されている事から、受け出しにくる高耐久水タイプを吹き飛ばすフェアリーZは非常に刺さった。
役割破壊技としてめざ炎を採用。炎4倍勢(カミツルギ・メガハッサム・ナットレイ)への有効打点となる。めざ炎控えめ個体をゲットするまで4日掛かった苦労が報われた気がする。
☆ポリゴン2/図太い/トレース/奇石
187(212)-×-128【奇石:192】(52)-126(4)-130【奇石:195】(116)-96(124)
イカサマ/放電/身代わり/自己再生
皆さんご存知数値受けの代表格。選出率こそ最下位なものの重要な場面で勝ちを拾ってくれた、ここぞという時に頼れる受けポケモン。
しらこま氏というレート2000超えの強者の方の構築記事で毒ガルド対策として非常にSの早い身代わりポリ2を見かけた。
バトン構築の天敵として毒や電磁波等の状態異常技を警戒していた筆者はしらこま氏のポリ2調整を参考に、二加速後(=放電による麻痺が相手に入った後)ゲッコウガ抜きができるまでにポリ2のSを引き上げた。
鉄壁バトンを積めばそんじょそこらの物理攻撃では身代わりを壊す事ができない為、状態異常技を透かす他に相手の叩きや岩封等も全く恐くない。
ポリ2を物理で攻略する為には剣舞や竜舞で攻撃力を引き上げるしか無いのだが、そこにイカサマが刺さる。マンマンガルドやガルランドといった特定の構築に非常に強い。
放電による三割麻痺の勝ち筋、トレースによる相手の有益な特性のコピー、対面軸においても引き先として高い数値受けをこなす等潜在能力はピカイチだったが、選出率は最下位である。
原因は大抵の構築にポリ2を起点に積んでくる特殊ポケモンが存在した事。本構築で重いガッサの存在等。メガルカリオともよくかち合った影響もでかかった。
しかしながら節目の戦いでは縦横無尽の活躍を見せてくれた。
・今シーズン初戦。ペンドラーから鉄壁加速バトンを引き継いだ後相手のむらっけをコピーし、身代わりで零度を防ぎながらPP枯らし合戦の末に相手のオニゴーリを降参させ初戦をモノにした。
・19付近で負けが増えていた時期に闘った2000超えの強者との一戦。HPが15%程度しか無かったペンドラーからの鉄壁バトンを引き継いだ直後に呪いを撃って来たミミッキュと削れていた聖剣ガルドを相手にイカサマ・自己再生・放電のコンボで致命傷を負わせてその試合を勝利した。ここから無敗でレート2000を超えた。
・2050チャレが掛かった試合で引いた18帯との一戦。ミミガッサという構築相性最悪、相手のポリ2の冷ビでこちらのメガバンギが凍らされる等不利な試合展開の中で、相手のポリ2を放電で一発麻痺、その次ターンで相手のポリ2を痺れさせポリ2が生存した状態で相手のポリ2突破。その後ランドとミミッキュの対面となり、裏のポリ2の存在で相手のミミッキュにZを撃たせず勝利。2050チャレが成功した。
今回初めてポリ2を運用したが、周りとの連携によって活きるポケモンだと認識できた。今後運用する事があればもっとその辺を詰めていきたい。
☆霊獣ランドロス/意地/威嚇/飛行Z
165(4)-216(252)-114(28)-×-101(4)-139(220)
ペンドラーのバトン先候補であったが、次第にバトン軸から対面軸での選出にシフトしていった。低速寄りの受けル討伐の役目も負わせていた。
当初はAを削り耐久調整を施したものだったが剣舞飛行Zでポリ2が吹き飛ばなかった事例が一日の間に2回発生した為A特化にした。
ランドに求めたのは攻撃力による一点突破であった為にこの調整変更は大正解だった。一応このH-Bでも特化メガバシャのフレドラ確定耐え可能な物理耐久ではある。
メガバンギを選出できない場合のクレセリア対策にもなっている。剣舞飛行Zで大抵の特化クレセが落ちる。
撃ち落とすは主にヒトム・ミトム・ムドー・カグヤ対策。相手は撃ち落とすを見ると地面Zを警戒するが、実は飛行Z。ランドの持ち物を誤認した相手がメガラティアスやグライオンを投げてくれたりするのでそこに飛行Zを叩き込んでいた。
本構築はメガフシギバナもよく呼ぶのでメガバンギと共にバナ対策としても連れていった。空を飛ぶでジャラランガZを回避するプレイも複数回した。
ドヒドイデは基本的にランドでしか崩せないので慎重さと大胆さを求められた試合が多かった。
☆メガバンギラス/陽気/砂起こし/メガ石
175-×-216(252)-171(4)-×-140-135(252)
竜舞/岩雪崩/噛み砕く/炎P
レヒレに次ぐペンドラーのバトン先有力候補。対面軸においてもそこそこの選出率。特性で起こす砂嵐はS判断や襷潰し・天候取り合いに重宝した。
対テテフ、対リザードン、対マンダ等々にどんどん選出していった。レヒレと組み合わせるとマンダナットドラン構築にも強く出られる。数値のオバケであり、バトンを絡められなくても竜舞でASを上げて対戦相手を薙ぎ倒していった。
エッジでは無く雪崩を採用しているのは命中率の差(前期ゲッコウガのダストをよく外していたのでエッジを当て続ける運命力は自分に無いと判断)と追加効果の怯み期待。
怯みの一番の仮想的であるミミッキュは殆ど怯ませられなかったが、他の場面でそれなりに怯ませて勝利に貢献してくれたのでトントンである。
噛み砕くはクレセ・ガルド・ラティアス辺りへの有効打点、役割破壊技として採用した炎Pは炎4倍弱点勢への有効打点である。
バトン軸の基本選出は当初のペンドラー・レヒレ・ランドという組み合わせからペンドラー・レヒレ・メガバンギの組み合わせに変遷していった。
ペンドラー・レヒレ・メガバンギは相性補完に優れており、安定感に優れているという理由もあった。
☆メガバシャーモ/寂しがり/加速/メガ石
155-209(76)-90-175(196)-100-150(236)
フレドラ/跳び膝/めざ氷/雷P
モブキャラ氏主催の仲間大会「指名手杯」に参戦した折、運営側として参加されていたZouking氏と戦い、お相手のランド+アーゴヨンを陽気メガバシャが崩せず負けた試合が切欠で新しく育成した個体。
バトン枠では無く役割破壊技搭載のエース格として運用。このAでも耐久振りカビゴンを跳び膝で確一。跳び膝やフレドラを受けに来たメガマンダ・ギャラドス・ランド等を雷Pやめざ氷で仕留める。
C175めざ氷の火力は無振り霊獣ランドロスを8割の確率で倒せる程度。Sは最速85族と同速。一加速で最速フェローチェを抜ける。
最初は中々運用方法がわからず選出率も低迷していたが、低速相手に選出して加速した後にタイプ一致技や役割破壊技で相手を崩していくパターンを理解し出すと結構選出できるようになった。
時々ペンドラーと共に選出し、メガバシャで荒らした後ペンドラーバトンで相手を一掃していく叉はペンドラーバトンで相手を荒らした後メガバシャで抜いていくみたいな試合展開になる事もあった。
バシャ・バンギは共にメガシンカしなくとも戦える性能があった為、2メガ選出する事もしばしばあった。そもそも大抵の選出で2Zor3Z選出していたので2メガ選出にも一切抵抗感無く臨んでいけた。
【選出】
・基本選出
2Z&1メガバトン軸。上位レート帯になるにつれてこの選出が一番多くなった。相性補完に優れており、色んな勝ち筋を追える組み合わせになっている。
メガミミロップ(+カビゴン)構築相手には大抵メガバシャ受け(レヒレ等)が居る為、中々こちらのメガバシャを選出できない。しかも、守る不採用+B下降補正の性格の影響で加速する前にメガミミロップの跳び膝でK.Oされる。よってこの基本選出で対処する。
どう対処するのかというと、レヒレの瞑想ムンフォ+フェアリーZで無理矢理レヒレやカビゴンを突破し、鉄壁バトンを引き継いだメガバンギがメガミミロップの飛び膝を耐えながら無理矢理討ち取るという数値受けの概念やらタイプ相性の概念やらを吹き飛ばす戦法を採る。それで勝てるから何も気にならない。気にしたら負けである。
☆メガバンギorメガバシャ+レヒレ+ランドorポリ2
ペンドラー展開が刺さっていない場合の対面軸。メガバンギorメガバシャが刺さっていると感じた時にこの選出をする。相手の構築にラッキー・オニゴーリ・カビゴンがいる場合はメガバシャ選出率高め。必要な時は2メガ選出する。
ポリ2は相手の物理エースを止めなきゃ負けると想定した場合に選出する。ポリ2を選出した試合の多くは勝ちを拾えた。
当初構想していた3Zバトン軸。ペンドラー+レヒレ+メガバンギの安定感に席を譲る形にはなったがそれでも上から強力な攻撃を叩きこめるレヒレとランドの組み合わせは強かった。
相手のパーティーにミトム・ヒトム・ボルト辺りが居るとこのバトン選出ができなくなるのが辛い所。
【辛いポケモン・構築】
・ヌオー
無理。
最低一体は持っていかれる事を覚悟しなければならない
何だかんだ言ってやっぱり辛い。本構築はミミッキュの弱点を突けるポケモン一匹も居ないからね。ポリ2出せば何とかなるかもしれないが中々選出できなかった。
ランドが火傷or瀕死になった時点でほぼゲームオーバー。
・霊獣ボルトロス
格闘Z型がやばい。それ以外なら何とかなる。
・トリル軸
加速バトンの宿命。今期そこまで当たる事は無かったのが救いだった。
【最高レート】
以下敬体のみ
【終わりに】
二期連続でレート2000突破する事ができた事、更には2071までレートを伸ばせた事、非常に嬉しく思います。
今期は計画的にレートを上げていく事を目標とし、ほぼ想定通りのペースでここまで来られた事が一つの成長を物語っているのではないかと考えています。
何より最後まで楽しくポケモン対戦をやれた事が自分にとってとても大きかったりします。自分が使いたいと思ったポケモンと共に結果を出せるのは至上の喜びです。
では、この辺りで筆を置かせて頂きます。ここまでお付き合い頂きありがとうございました。そして、S14で対戦して下さった皆様本当にありがとうございました。
【第7回ホズラッシュ1位&USM:S13最高/最終レート2005】ビルドレミミッキュ!?フルアタカバルドン!?地雷原を往く対面構築
おはようございます。こんにちは。こんばんは。poke_jinと申します。
今回はUSM:S13で最高/最終レート2005を達成した構築を皆様に紹介したいと思います。
以下常体。時々敬体。
【パーティー構築経緯】
役割破壊的な対面構築を得意とする自分がまず目に付けたのがメガゲンガー。
特性影踏みによる強制的サイクルカットとずば抜けたCSの高さ、更には滅びの歌等の搦め手も備えているこのポケモンを主軸に置いた。
次にメガゲンガーと共に上から圧力を掛けられる高速アタッカーとして両刀命珠ゲッコウガを採用。続いて「化けの皮」による行動保証を持ち、USMで獲得した新技を搭載したビルドミミZ型ミミッキュを採用。
いずれも格闘タイプの攻撃技を備えるこの二匹とメガゲンガーを基本選出とし、如何にして数的有利を取るかに専心した。
上の三匹だと相手に地面と電気の一貫性を取られてしまい、更にペリッパー(orニョロトノ)+メガラグラージの雨パやポリゴン2+メガクチート等のトリルパに不利を取る為、一貫性を切ると同時に雨パやポリクチに有効打点を持つ草結び搭載格闘Z霊獣ボルトロスを採用。
今のままではクレセリア、ドヒドイデ、モロバレル等の高耐久ポケモン(起点回避の為にクリアスモッグや黒い霧、凍える風等を搭載している可能性が高い)がメガゲンガーでしか対処できなくなる為に、それ等を起点にしてZテクスチャーを積んで高火力化・全抜きを狙える身代わり搭載最良バランス型ポリゴンZを採用。
ここまでで辛いのがフェローチェ、メガミミロップ、メガハッサム、スカーフサザンドラ、ラッキー等々の「上から一貫性の高い高火力技を押し付けてくるタイプ」や「圧倒的な耐久値でジワジワ削り取ってくるタイプ」のポケモン。
この手のポケモンは裏に苦手タイプに対処できるポケモンを控えさせている場合が本当に多いのでサイクルを回していく中でこちらが不利になってしまう試合展開になりがちである。
あ~、どこかに「こっちの攻撃を素直に受けてくれる、『滅茶苦茶相手に舐められる』ポケモン」は居ないかな?しかも「『技範囲が結構広い』ポケモン」で、且つ「相手の攻撃を耐えつつ『ガブリアスや霊獣ランドロス並の攻撃力』を叩き出すポケモン」は居ないかな?いやいや、そんな都合の良いポケモンなんて居るわけ………
カバルドン「うん?」
筆者「君に決めた!」
というわけで、達人の帯フルアタカバルドンを採用し、パーティーが完成する。
【個体紹介】
☆メガゲンガー/臆病/影踏み/ゲンガナイト
149(108)-×-119(148)-190-115-200(252)
滅びの歌/守る/シャドボ/ヘド爆
本構築の主軸。自称HBSメガゲンガー。地雷枠その1。
一般的なHSメガゲンより物理耐久指数を引き上げて特殊耐久指数を引き下げた調整となっている。
具体的にはA特化メガバシャのフレドラを約7割の確率で耐えられる程の物理耐久指数(HSメガゲンだと約3割の確率で耐えられる数値)で、A特化ミミッキュの剣舞影撃ちも確定で耐えられる。
特殊耐久指数はHSメガゲンより落ち、C特化レヒレの水Zは高確率で耐えられないものの、守るで被ダメージを1/4にすればその後のハイドロポンプを喰らっても確定で耐えられるのでヘド爆二発で返り討ちにできる。
守るは相手のZ技の被ダメージを抑えたり様子見に使えたりと様々な局面で有効活用できた。初手襷激流ゲッコウガと対面した時は、まず守るで相手の特性や持ち物を見極め、悪波不採用激流型ならシャドボ→ヘド爆の順番でゲッコウガを落としていた。
悪波持ちや変幻自在の場合は守るの後ヘド爆を撃ち、毒状態にできれば守るを通して突破していた。
滅び採用のメガゲンでは珍しいシャドボとヘド爆両採用は、コケコやCSメガゲンとの同速勝負で勝った時に相手を一撃で倒せる為。
滅びの歌は数的有利を取る事により真価を発揮する技なので、コケコやCSメガゲン双方に有効打点を持てるシャドボとヘド爆は切ってはいけない攻撃技だと思っている。
また、シャドボのワンウェポン体制だとノーマルタイプへの打点が失われる事、ヘド爆の追加効果である3割の毒状態と守るのコンボも強力である事からシャドボ・ヘド爆両採用は確かな意義がある。
滅びの歌は害悪構築やバトン構築、積みポケモンや高耐久ポケモンを崩す為に非常に有用な技であり、二連守るによる約3割の勝ち筋や、いざという時に後述するポリゴンZのZテクスチャーの起点作りにも活用できる等応用範囲が凄まじく広かった。
更に詳細が知りたい方は下記の育成論にて記述していますのでよろしければご一読を。
☆ゲッコウガ/無邪気/変幻自在/命の珠/
147-145(236)- 87-126(20)-81-191(252)
蹴手繰り/ダスト/冷ビ/水手裏剣
相撲を取りながらゴミ箱を投げ付け、周囲を凍えさせる汚い忍者。今時珍しい蹴手繰り採用の珠両刀変幻自在型であり地雷枠その2。
冷ビを受けにくるカビゴンやナットを蹴手繰りで葬り去る光景を何回も目にして来た。ついでにバンギもドランも吹き飛ばす。ハピナスも半分以上HPを削れる。
ゲッコウガを含めて6匹中4匹に格闘タイプの攻撃技を採用しているのは、フェアリー勢の台頭、威嚇持ち飛行タイプの流行、強力なゴーストタイプの環境席巻等々によって活き活きしている『格闘タイプを弱点とするポケモン』達をメタる為。
カビゴンやメガガル等相手に格闘タイプのポケモンを選出した所で裏の格闘受けに交代されるのは目に見えている。
現環境では役割破壊的な高威力格闘攻撃技が求められており、それに一番合致するのが変幻自在でタイプを任意に変更できるゲッコウガである。
ダストはフェアリー勢への有効打点であると同時に、ゲッコウガ最大打点でもある。H振りだけのレヒレは確一で吹き飛ばす。
ASミミッキュは珠タイプ一致ダストで約8割の確率で倒せるので積極的に撃った。初手でよく外す。
冷ビは氷四倍弱点勢に。水手裏剣は単なる先制連続技としての運用以外にスカーフランドロスへの打点やミミッキュの皮&襷潰しに重宝した。ギルガルド対策として悪波が欲しい場面が散見されたが他に切る技が無かった。
特性変幻自在と命の珠補正が合わさり、全ての技に1.95倍補正を掛けて放てるゲッコウガはやはり強かった。
レート2000突破した日の対戦では一度もダストを外す事が無く、対ゲッコウガ枠として交代後出て来るレヒレに当て続けてくれた際は神かと思った。
151(164)-156(252)- 102(12)-×-127(12)-125(68)
じゃれつく/影撃ち/ビルド/ドレパン
化けの皮の中に隠した幽体状の筋肉をムキムキに鍛えながら対戦相手と友情を育むべく物理でぽかぼか殴っていく。自称ビルドミミZ型ミミッキュ。地雷枠その3。
ビルドとミミッキュZを組み合わせる事で特性威嚇後竜舞してくるメガギャラを倒せる型である。
ビルドを一回積めばドリュウズや竜舞メガギャラのアイヘ、カミツルギのスマホも耐えられたりするので、返しのミミッキュZやドレパンが刺さる。
剣舞では無くビルドにしているのは物理耐久力の底上げとイカサマ対策。ポリゴン2がこちらを麻痺させた後にイカサマをよく撃ってくるが、剣舞だと押し負けるがビルドだとドレパンもあり押し負けない。
ビルド一積みのドレパンは然程火力が無いので高耐久相手には2,3回積む必要がある。レート終盤で毒状態のポリ2とそれぞれHP満タンのランド&ガブをこのミミッキュで三タテした時は興奮やばかった。
他にもドランやナット、カビゴン・マンムー・ゲッコウガ(じゃれつく外しを避けたい時)への有効打点として撃っていた。
じゃれつくはミミッキュの最高打点。影撃ちは一貫性の高い先制ゴースト技として、またSを落とし気味のこのミミッキュを運用していく中で重宝した。
更に詳細が知りたい方は下記の育成論にて記述していますのでよろしければご一読を。
☆霊獣ボルトロス/臆病/蓄電/格闘Z
155(4)-×-90-197(252)-100-168(252)
10万/気合玉/めざ氷/草結び
技範囲が広く、それなりに速くて、火力も高く、Z技発動時は全力で無双仕っていた蓄電オジサン。電気と地面の一貫性を切る枠として採用。地雷枠その4。
細かな調整等は一切せずCSぶっぱ。どんなリザYより速く動いて10万を撃ちたかった。一見地雷要素等皆無に見えるがフルアタ構成且つ草結び採用は立派な地雷要素。
カプ・コケコでは為しえない草弱点四倍勢(主に起点作りラグラージ)を草結び一撃で粉砕する火力が魅力的。S13終盤受けルにヌオーが入り始めたので余計にブッ刺さった。
めざ氷は氷四倍弱点勢への打点。10万はボルト最高打点。リザードンと対面した場合相手の構築を眺めて10万を押すか格闘Zをぶっぱするか決めていた。
気合玉はよく外すので格闘Zを切るタイミングは慎重に。パーティー唯一の特殊格闘高火力技持ちで、ポリクチのポリ2、ナット、バンギ等への有効打点として重宝した。
☆ポリゴンZ/控えめ/適応力/ノーマルZ
テクスチャーZ前:175(116)-×-94(28)-190(140)-96(4)-138(220)
テクスチャーZ後:175(116)-×-141(28)-285(140)-144(4)-207(220)
10万/冷ビ/身代わり/テクスチャー
壁要員や欠伸ステロ要員が居ない中、そもそも他のポケモンに起点を作って貰う事など想定せず自ら起点を作ってZテクスチャーを行使していく漢気溢れるポケモン(性別不明)。
火力・耐久・速度いずれもが高レベルで纏まっている、自称最良バランス型ポリゴンZ。地雷枠その5。Zテクスチャーをするのに自己再生が無い。身代わり持ちなのに悪巧みや騒ぐを搭載せずZテクスチャーを行う。
クレセリア、ドヒドイデ、モロバレル、スイクン、テッカグヤ、ポリゴン2、残飯ギルガルド辺りに対して身代わりを置いてからZテクスチャーを行う。
準速85族抜き調整。Zテクスチャー後最速135族抜き調整。電気タイプにZテクスチャーした後、超高火力の10万と冷ビで全抜きを狙っていく。
Zテクスチャー後ミミッキュZ+影撃ち確定耐え調整。メガゲンガーの滅びと組み合わせて無理矢理Zテクスチャーを積む場合も有り。
このパーティーだとクレセリアのまともな突破方法がメガゲンガーのシャドボくらいしか無いのでもう一つの対抗手段としてZテクスチャーポリゴンZを用意した。
選出率はパーティーの中で最下位だが、選出した試合ではよく活躍してくれた。このポケモンのおかげで後述するカバルドンが起点作りだと相手が誤認してくれる効果もあっただろう。適材適所という言葉がピッタリ嵌るポケモンだった。
更に詳細が知りたい方は下記の育成論にて記述していますのでよろしければご一読を。
☆カバルドン/意地/砂起し/達人の帯
207(188)-180(252)-140(12)-×-94(12)-73(44)
氷牙/炎牙/地震/馬鹿力
木の実を捨て、刺々しいメットを放り投げて額に達人の帯を巻いたフルアタカバルドン。地雷枠その6にして本構築最強の地雷。
環境に存在する99%以上のカバルドンが起点作り型もしくは物理受け型であるデータを逆手に取り、交代読みを決めサイクル破壊・役割破壊を積極的に狙っていく。
無振りカバルドンのA実数値は132。A特化カバルドンのA実数値は180。数値的には無振りカバルドンの1.37倍の火力がA特化カバルドンにはある。
達人の帯による補正が働いた場合は、無振りカバルドンの約1.6倍以上に達する攻撃力(火力的には特化霊獣ランドロスに匹敵する)が帯カバルドンに存在する。
しかも、鉢巻とは違い技の撃ち分けも可能である。普段よく見掛けるカバルドンから受けるダメージに慣れ切っているトレーナーからすれば、本構築のカバルドンはさながら「鉢巻を巻きながら技の撃ち分けを行ってくる上に馬鹿力や炎牙なんていう普段目にしない技を搭載している宇宙的カバルドン」と見做されるだろう。
とまあ冗談はここまでにして。達人の帯補正があってもギルガルドやメガメタグロス等高耐久ポケモンは乱数でしか倒せなかったり確定耐えされるケースもあったが、ダメージレースで優位に立ち裏のポケモンを通しやすくすればそれで良いと割り切って運用していた。
交代読みで放つ氷牙や馬鹿力はグライオンやサザンドラ、カビゴン等によく突き刺さり、炎牙はフェローチェやメガハッサム、晴れ構築の毒Zフシギバナやナットレイ攻略に重宝した。
S調整はS下降補正ガルド抜き調整。この数値であればS無振りのラッキーやメガクチートも抜いているので上から叩ける。ウチのパーティーを見て出て来るメガボスゴドラにも優位になる(無振りカバの地震がH振りメガボスゴドラ確4だがこのカバなら確3。メガボスゴドラより速いのでアイヘの怯みも無い)。
ラッキー対面では地震からの馬鹿力で(砂ダメ込みで)倒せるので、ミミッキュやメガゲンの滅び以外でラッキーを攻略する手段ができ受けル攻略がはかどった(メガゲンを見ると相手がバンギやRベトンを選出し、ミミッキュを見るとドヒドイデを選出し、残りはラッキーで見る等の選出をしてくるのでこのカバルドンの存在が非常に大きかった。というか地面タイプなのにバンギやドヒドイデを選出されるカバルドンが舐められ過ぎている)。
特性砂起しは相手の襷を削ったりスカーフ判定ができたり天候の奪い合いで活きる等色々有効活用できた。
更に詳細が知りたい方は下記の育成論にて記述していますのでよろしければご一読を。
【選出】
・基本選出
この3体の並びが基本選出となる。メガゲンとゲッコウガのどちらを先発に出すかは相手の構築次第。
コケコやメガゲンがいるパーティーだとメガゲンを、ランドやレヒレがいるパーティーだとゲッコウガを先発させる機会が多かったと思う。
メガマンダ軸、メガバシャ軸、メガゲン軸、メガルカリオ軸等々には原則この基本選出で対戦していた。パーティーに組み込まれているカミツルギはビルドレミミッキュやHBSメガゲンで割と対処できた。
・VSポリクチミミッキュ
☆ボルト+ミミッキュ+カバ
初手にポリ2が出て来る事が非常に多かったので先発ボルトの格闘Zでポリ2を削る事を意識した。
クチートの威嚇さえ受けなければカバの地震でメガクチは一撃なので、ミミッキュのビルドで耐久力を上げトリル枯らしに専念。2Z選出になるが全然気にしなかった。
・VS受けル(ラッキー、メガゲン、グライ、バンギ、ムドー、ドヒデetc)
一見すると特殊型のポケモンが多い本構築は非常にラッキーを呼ぶ。またメガゲンを見ると相手のバンギやRベトンが、ミミッキュを見るとドヒドイデが選出される事が非常に多い。
逆にムドーやグライオンはこちらの顔ぶれ的に選出されない事が多かった。なので攻撃力を舐められ捲くっているカバでラッキーを落として他のポケモンに優位に立っていた。
最悪カバが倒されても滅びメガゲンが居る為ラッキーの処理は可能だった。滅びメガゲンの他にラッキーの処理ルートを確立できた恩恵は凄まじかった。
時々受けルにフェローチェが入っているが、メガゲンは補正無し命珠ドリルライナーを確定耐えして返しのシャドボで一撃、カバは無振り命珠冷ビ確定耐えして返しの炎牙で一撃、ミミッキュやゲッコウガの先制技もあって然程苦戦しなかった。
・VSメガミミロップ軸(メガミミロップ、グライオン、カビゴン、テッカグヤetc)
☆ゲッコウガ+カバ+メガゲン
メガミミロップとカバを対面させて交代として出て来るグライオンに氷牙を撃って致命傷を負わせ、ゲッコウガに交代した後に出て来る特殊受けのカビゴンを蹴手繰りで葬り去る。後はゲッコウガやカバで着実に詰めていく。
HBSメガゲンはメガミミロップの猫騙し+恩返しを確定耐えできる(そもそも守るで猫騙しは防げるが身代わりの可能性もあるので使い所を考えなければならない)ので、ある程度削っていればヘド爆で処理可能。テッカグヤは余り選出されなかったが、選出されると割と辛かった。
・VSメガガルーラ軸(メガガル、ゲッコウガ、ミミッキュ、キノガッサetc)
ゲッコウガもカバもメガガルへの有効打点を持つものの耐久振りだと倒せず返り討ちを喰らうケースがある。特にゲッコウガ。
よって、カバをメガガルと対面させて交代で出て来るゲッコウガ読みで馬鹿力を撃ち役割破壊を狙っていった。ASメガガルならゲッコウガの蹴手繰りでワンパンである。
相手のパーティー次第ではボルトを先発に置くパターンが有り、その時はこちらをスカーフと読んで居座ってくれる事がそれなりに有り、格闘Zで楽に処理できた。
ミミッキュの剣舞影撃ちを確定で耐えられるHBSメガゲンの安定感は半端無かった。キノガッサのマッパを無効化するポケモンが2匹居る事も大きかった。
対面構築相手は如何に相手の頭数を減らし数的有利を取るかに専心しなければならないので、役割破壊技満載の本構築と相性が良かった。
・VSメガギャラドス軸(カプ・コケコ、メガギャラドス、ウルガモス、アーゴヨンetc)
メガギャラ軸との勝率は6:4といった所。壁貼り要員のコケコは、メガゲンに挑発さえ入れさせなければ割とどうでも良かった。勿論ヘド爆速攻で倒せれば言う事無しだったが。
アーゴヨンはミミッキュで見られたがウルガモスは耐久振りが多く、メガゲンの滅びで対処しなければ負けに直結するパターンも一定数存在した苦しい相手。
そして肝心のメガギャラとの戦いでは、如何にしてギャラと滅びメガゲンorボルトを対面させるかに苦心していた。
一度ギャラをメガシンカさせてしまえばゲッコウガの蹴手繰りでメガギャラは吹っ飛ぶので理想はメガゲンとメガギャラの対面。
最後ラス一勝負になったミミッキュVSメガギャラはメガギャラのアイヘや滝登りで怯まなければビルドミミZミミッキュで打ち勝てる。
レート2000突破した日の対戦で当たったアイヘメガギャラでビルドを積んでミミZ発射体勢だったミミッキュを怯ませてきたプレイヤーはさすがとしか言いようがなかった。
スカーフサザン+メガメタグロス相手はカバの交代読み馬鹿力が当たるかどうかが勝負の鍵となった。挑発悪Z型サザンであればカバでもゲッコウガでも楽に対処できた。
サザンがいないグロス軸はゲッコウガやメガゲンで処理できる事が多かったのでそれ程苦労はしなかった。
ポリ2を絡められるとさすがに基本選出だけでは対処しきれなかったので、ポリ2の前で身代わりを貼ったポリZでZテクスチャーを行う等の工夫が必要だった。総じて勝負は五分五分だった印象。
・VSカプ・テテフ
スカーフテテフが刺さる構築なのでよく当たった。スカーフ持ちの場合は初手メガゲン対面で守る→ゲッコウガへの交代でサイキネを無効化し、サイクル勝負に持ち込んだ。
襷型だと逆にゲッコウガ読みムンフォで負ける試合が多かった。初手カバ展開による砂ダメでテテフの持ち物判別する事もあった。
ミミッキュが特化PFサイキネを二耐えできる調整だったので、その辺を上手く活用してゲッコウガとサイクルを仕掛けスカーフテテフに勝利した試合もあった。
・VSメガリザードン(X・Y)
リザXの方なら対処は楽。特殊超火力のリザYは中々対処し辛かった。ボルトやゲッコウガで上から殴れないと負けに直結する勝負を強いられた。
・VS雨パ
ボルトの草結びがメガラグに入るかどうかで勝敗が左右された。ミミッキュの化けの皮剥がされ時にビルドを積んでミミZで吹き飛ばすという強引手段も採っていた。戦績はおよそ五分五分。
・VS砂パ
カバやゲッコウガが居る為余り辛く無い。いざという時は化けの皮を持つミミッキュがストッパーになってくれた。戦績はおよそ8:2。
【辛いポケモン】
・メガハッサム
カバルドンの炎牙やテクスチャーポリZ、メガゲン・ボルトのタイプ一致技で戦えるが、取り巻きにスカーフランドが居たりすると一気に苦しくなった。
・メガフシギバナ
メガゲンの滅びでしか基本対処できない。地震持っている個体の場合は滅び後二連守るを通さなければならない。
HD振りだったらゲッコウガの珠ダストで戦えなくは無かったが総じて辛い相手だった。
・スカーフ霊獣ランドロス
特にメガメタグロスと組まれたスカーフランドは攻略し難かった。初手のゲッコウガ対面の水手裏剣が何発ヒットするかでその試合の趨勢が大きく変化した。
一部ではHD振りスカーフランドも見受けられ、ゲッコウガの水手裏剣が五発当たっても余裕で耐えてくる等スカーフ一つ取っても型が多様化している印象を持った。
スカーフ以外の型のランドであればすごく苦戦するという事は無かった。メガゲンの守るでスカーフ型がそうでないか判断する場合もあり、裏のボルトに交代して地面技を透かしながら択勝負に持ち込んだりビルドミミZミミッキュで突破を図るような戦術を用いて攻略を図っていった。
・ホルード
特にスカーフ持ちが手強かった。メガゲンのツーウェポンを半減にし、ゲッコウガより先に動いて倒しに掛かる様はやり辛くてしょうがなかった。
襷型でもその行動保証によりこっちのポケモン一匹は最低限持っていかれる事が多い。
・スカーフウツロイド
パワージェム・ヘドヴェ・サイキネ・草結びと、こちらのパーティーに有効打点を持つ技ばかりで、かなり苦戦を強いられた。
【最高/最終レート&最終順位&ホズラッシュ順位】
☆ 最高/最終レート
☆最終順位
☆第7回ホズラッシュ順位
以下敬体のみ
【終わりに】
SM:S2でレート2090を取って以来久々のレート2000突破(USMでは初めてのレート2000突破)が叶い本当に嬉しく思います。
使用しているポケモンはメジャー所ですか、その内実は凄まじい地雷を内包しています。相手の意表を突くだけでは上位に行けないという意見は確かに一理あります。
しかし、これだけ地雷だらけの構築であれば話は変わってきます。その上できっちり汎用性を持たせる事でレート2000を突破できる事を、そして上位レート帯でもきっちり戦える事をS13で証明できたのではないかと思っています。
また、レート2000以上の強者が集う仲間大会「第7回ホズラッシュ」に参加させて頂き、幸運も重なり6勝無敗レート1585でフィニッシュ。結果として1位を取るに至りました。
強者の方々ばかりが集う大会でこのような結果を出せた事とても嬉しく思うと同時に、この結果に驕らずこれからも精進しなければならないと気を引き締めた次第です。
では、この辺りで筆を置かせて頂きます。ここまでお付き合い頂きありがとうございました。そして、S13で対戦して下さった皆様本当にありがとうございました。